なつぞら 第2週朝ドラ『なつぞら』には、初回の放送から「世界名作劇場」シリーズや、スタジオジブリ作品を思い起こさせるシーンが盛り込まれています。第1週の1話から6話までは、各回ごとにアニメネタと思われるものがありました。
そして、第2週の7話から12話においてもアニメのようなシーンがあったのでご紹介します。



なお、便宜上、タイトルを「オマージュ」としていますが、これらのシーンはオマージュと発表されているものではなくて、こちらの勝手な解釈によるものです。
公式な発表ではないことをご了承ください。

第7話『火垂るの墓』

第7話は、戦争孤児のなつと兄の咲太郎が地下道で過ごすシーンや、池で釣りなどをするシーンがあって、まさに実写版『火垂るの墓』のようでした。
オマージュの意図ではないと思いますけど、三ノ宮駅で屍になった清太や、ニテコ池で生活しているときの清太と節子のように見えました。

第8話『ペリーヌ物語』

第8話は、帯広で警察に保護されたなつはトイレから逃げ出します。そして、闇市を駆け抜け、川辺に行くとクラスメイトの山田天陽くんがいるじゃないですか。天陽くんは、そこで釣りをしています。大きな魚を釣り上げ、なつはその魚をもらいます。

川で釣りをするシーンには、『トムソーヤーの冒険』のナマズ釣りや、『ペリーヌ物語』の話が浮かびました。倹約家のペリーヌは食費を浮かすために自分で魚を釣り、缶詰の空き缶で鍋を作ったり、木の枝でフォークを作ったりします。この作品も両親のいない子供の話なので、『なつぞら』を観ていると所々に重なるものがあります。ただ、これはただ釣りをしているだけなのでオマージュではないでしょう。

それから、回想による孤児院のシーンがありましたけど、「世界名作劇場」には両親がいなかったり、孤児院にいたキャラクターというのが多いので、『私のあしながおじさん』や『赤毛のアン』が浮かびました。

第9話『となりのトトロ』

第9話では、家出をしたなつが川辺で魚を焼きながら、父からの手紙を読んで思いを馳せるシーンでアニメーションが挿入されました。
このあと泰樹おんじらになつが見つかって、なつは我慢していた感情を爆発させます。そのシーンが、『となりのトトロ』でお母さんがいないことをずっと我慢していたサツキが泣き崩れるところとダブりました。

第10話『アルプスの少女ハイジ』

第10話では、泰樹おんじが明治35年に18歳で富山から北海道に来たことが語られました。そこで、先に開拓をしていた人の集まりである晩成社の人々から酪農を薦められ、晩成社からはバターづくりを教わり、それを作ることを夢として持ち続けていることが明かされます。今回のエピソードでは、なつと泰樹おんじのバター作りが主です。『アルプスの少女ハイジ』のハイジとアルムおんじのチーズ作りが浮かびます。

この回の後半に、なつが初めて漫画映画を観るシーンがあります。それは、『ポパイ アリ・ババと40人の盗賊』という、デイヴとマックスのフライシャー兄弟が作った作品。宮崎駿監督にも多大な影響を与えたフライシャー作品が登場しました。フライシャー無くして、ジブリ無し、という流れを汲んでいるのかもしれません。

第11話『魔女の宅急便』『アルプスの少女ハイジ』

第11話は、絵描きの少年・山田天陽くんの家になつが遊びに行きます。
天陽くんのアトリエと化した家で、絵を見るなつは『魔女の宅急便』でウルスラの絵を見るキキのようでした。天陽くんが、「なつのこと描かせてくれよ」と言ってくれたらサイコーでしたけど、それはありません(笑)。ちなみに、天陽くんは画家の神田日勝をモデルにした登場人物です。

そして、今回のエピソードで天陽くんの境遇が明らかになり、拓北農兵隊だったことがわかります。東京大空襲などで家が焼かれたような戦災者を対象に、旧政治体制下で行われた食料自給対策で、北海道へ集団移住・就農を奨励し、食糧増産を狙った計画でした。しかし、そのときの北海道には荒れた土地しか残っておらず、農業経験のない移住者のほとんどが離農・離村したという。天陽くんの家族も、その中の一員であり離村寸前でした。
このことを知ったなつは、泰樹おんじに天陽くんを助けてもらえないかお願いをします。これは、『アルプスの少女ハイジ』で、ボロボロのペーターの家を直してもらえないか、アルムおんじに頼むハイジと重なりました。天陽くんの家もボロボロですし。

第12話『千と千尋の神隠し』

第12話では、山田家の荒れ果てた土地を耕します。泰樹おんじが音頭をとり、多くの村人たちが集まりました。
そして、みんなで力を合わせて、大きく根を張った切り株にロープをくくりつけ「油屋一同、心をこめて~!」とばかりに引っこ抜くのです。
そうです、『千と千尋の神隠し』でオクサレさまの身体に溜まったゴミを引っ張り出すかのごとく、村人一同で切り株を取り除いたのです。
こうして、山田家の土地は整地され、土も浄化されていきました。画的にも、意味合いも近いものを感じました。
さしずめ、指揮を執っていた泰樹おんじは、湯婆婆といったところでしょうか。今回の泰樹おんじはカッコ良すぎでした。

以上、第2週の『なつぞら』にあったアニメーションを想起させるシーンです。
第3週からは、なつも成長した大人の姿となって、アニメーターへの道を進むことになります。
まだアニメを思い起こさせるシーンがあるのか、楽しみに待ちましょう。

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