今年は、『ルパン三世』アニメーション化50周年ということで、にわかにルパンが盛り上がっております。
金ローでは、過去のテレビシリーズから人気投票上位の作品が放送されることが決まり、『ルパン三世 カリオストロの城』は10月1日より劇場公開されます。
ということで、宮崎駿監督が演出を務めた、テレビシリーズの『ルパン三世』をご紹介します。
宮崎監督といったら、なにしろ長編監督デビュー作が『ルパン三世 カリオストロの城』ということが有名ですけども、実はテレビシリーズでは『ルパン三世 Part1』からアニメーターとして参加し、演出にも高畑勲さんと共にAプロのチームとして携わっています。『ルパン三世 Part2』では、単独で2本の演出を務めました。その作品というのが、第145話『死の翼アルバトロス』と、第155話『さらば愛しきルパンよ』です。
当時は、宮崎駿という本名は使っておらず、「照樹務(てれこむ)」名義で、脚本・演出・絵コンテを担当しました。
本作は、Part2に不満を感じていた宮崎監督が制作したものですが、これまでのイメージと違うという理由で、2本とも日本テレビのスタッフからボツを食らいそうになったとうエピソードもあります。
しかし、現在では人気作品となり、「ルパン三世アニメ40周年記念 マイ・ベストエピソード投票」の「TV第2シリーズ部門」では、『さらば愛しきルパンよ』が1位になり、宮崎作品のルパンでは劇場版・OVA部門の『ルパン三世 カリオストロの城』とともに二冠を達成しています。
さらに、2017年に日本テレビで放送された「ルパン三世ベストセレクション」でも本作が1位に選ばれました。
そして、今回の「アニメ化50周年特別企画 みんなが選んだルパン三世」においても、『さらば愛しきルパンよ』が1位に、『死の翼アルバトロス』が4位に選ばれ、金ローにて放送されることが決まりました。
『死の翼アルバトロス』では、宮崎監督が愛してやまない1930年代の戦闘機や飛行艇が登場し、派手な空中戦が展開されます。ルパン一味のユーモアあるコメディタッチのシーンも盛り沢山で、まさに宮崎監督の真骨頂のような作品です。また、本作でルパンは赤いジャケットをほとんど着ることがありません。
そして、最終話『さらば愛しきルパンよ』では、ロボット兵のラムダが登場し、ヒロイン・小山田マキの声には島本須美さんが起用されるなど、後の宮崎作品の代表作『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の原型となる特色が強く出ています。
また、本作は最終回であるにも関わらず、偽ルパン一味や、銭形に変装したルパンの登場シーンが大多数を占めており、本物のルパンたちの登場シーンが少ないのも印象的です。
現在のような巨匠になる前から、宮崎監督は型破りな作品を作っていたことがわかりますね。まだ未見の方は、ぜひご覧ください。
「みんなが選んだルパン三世・TVシリーズセレクション」
日程:2021年10月15日(金)
放送作品:
Part1『ルパンは燃えているか…?!』
Part2『死の翼アルバトロス』
Part2『さらば愛しきルパンよ』
Part5『ルパン三世は永遠に』