
スタジオジブリ作品には、まことしやかに広まってしまう間違った情報というのが多々あります。
中でも有名なのが、『千と千尋の神隠し』の舞台が台湾の九份というもの。これは、宮﨑駿監督も否定しているものでデマ情報なのですが、まるで事実のように広まってしまい、現在では九份でジブリグッズまで販売されているようです。
その他にも、『風の谷のナウシカ』の舞台がオーストラリアだとか、『魔女の宅急便』のグーチョキパン店のモデルがオーストラリアにあるといった、間違った情報もあります。列挙しだすとキリがないほどですが、また最近 間違った情報が広まり始めました。
それは、2023年に公開された『君たちはどう生きるか』。本作には、青鷺屋敷という立派な屋敷が登場しますが、この屋敷は「旧伊藤伝右衛門邸」をモデルにしているというもの。
おそらく、鈴木敏夫さんが雑誌のインタビューで「福岡の飯塚にある家を見た。そこの家が青鷺屋敷のモデル」と話していたことから、勘違いして広まってしまったものと思われます。
この説に関しては、2023年に行われたXスペースにて鈴木敏夫さん本人の口から否定されています。
それは、ファンの質問に答える形で明らかになりました。「旧伊藤伝右衛門邸」がモデルか問われた鈴木さんは、「え、なにそれ? 知らないよ」と驚き「知り合いの家を見せてもらって、そこの一部を参考にしたんです」と答えてます。
では、実際にモデルとなった家はどこなのか。
その場では「知り合いの家」と濁されていて、明確なモデルは明言されませんでしたが、おそらく福岡・飯塚にある「麻生家本邸」および、「麻生大浦荘」を見に行ったのではないかと思います。

実は、ジブリ作品ではこれまでにも、麻生邸をモデルにした家が登場しています。
『風立ちぬ』の冒頭に登場する堀越二郎の家は、麻生家本邸がモデルであり、宮﨑駿監督と鈴木さんはここに宿泊もしています。
また、麻生家の麻生巖さんと鈴木さんは旧知の仲で、結婚式にも参加する間柄ですし、ジブリが刊行する機関紙『熱風』でも麻生巖さんと対談もしています。
これらの経緯から、当方が推測するモデルは「麻生大浦荘」です。廊下が青鷺屋敷と似ているように感じます。
しかし、これもまた一つの推測ですので、事実のように広めないでくださいね。
宮﨑作品ではよくあることですが、特定の建物一つではなく、記憶や複数のイメージが合成されていることも考えられます
余談ですけど、宮﨑駿監督と麻生太郎さんは、学習院大学政経学部の同級生なんですよね。
ちなみに、麻生さんは『風立ちぬ』を鑑賞していて、「俺の家だ」と驚いたそうです。

