かぐや姫の物語

高畑勲監督の最後の作品『かぐや姫の物語』。本作について、宮﨑駿監督が感想を述べたことはほとんどありませんが、初号試写で鑑賞した際に、感想を漏らしていたことは鈴木敏夫さんが『ジブリ汗まみれ』の中で明かしています。



放送では、初号試写を観るまでの動揺した様子も説明されています。
また、映画の内容も男女が空を飛んで、バッドエンドで終わるという、ある種宮﨑作品へのアンチテーゼとも受け取れるシーンもあります。
ここで述べたことが、宮﨑監督の本当の感想ではないと思われます。

鈴木:
『かぐや姫』って、ジブリのこれまで作ってきた作品のなかでも、ぐんを抜いて、みんなの感動度が高かったというのか。泣いてらっしゃる方が多くて。スタッフなのに泣いてるんですよね。そしたら、宮さんが、周りをキョロキョロしながら出てきて、難しい顔をしてるんですよ。そしたら、何を言うかなと思ったら、ぼくらの親しい日本テレビの奥田さんがいて、やっぱり泣いていて。宮さんが来たら、いきなりみんなに聞こえるように、「なに奥田さん、目を真っ赤に泣きはらして。この映画で泣くのは、素人だよ」って言ったんですよ。
ぼくはね、宮崎駿って人との付き合いは長いけど、これは意味がわかんない。だって、「この映画で泣くのは、素人だよ」って、どういう意味? じゃあ、玄人の映画だったら、どうなの?。
その後、毎日のように顔を合わせるじゃないですか。何か言うかなと思ったら、その日を境に、『かぐや』について言及したのは、その一言だけ。何にも言わないんですよ。