岩井俊二 鈴木敏夫岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』が公開されることを記念して、今月2月8日に新宿バルト9で映画『花とアリス』復活上映会が実施され、ゲストに鈴木敏夫プロデューサーを迎えたトークショーが行われました。その後、トークショーを終えた2人は、岩井監督と高畑勲監督との意外な接点、アニメへの思いなどについて語りました。
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『エヴァンゲリオン』に、ナウシカを出したら完結する

――岩井監督が続編に取り組むのは珍しいように思うのですが、再び『花とアリス』に取り組もうと思った理由は?

岩井:
『花とアリス』というのはサザエさんみたいな話だと思っているんです。(本作に出演する2人の少女である)花がいて、アリスがいればなんでもいい、という。だから前作を作り終えてからも話が膨らんでしまって。気がついたら、(2人の中学時代の出会いを描く)エピソードワン的な構想が膨らんでしまった。不思議と自分の中では終われなかった作品という感じはありますね。

(略)

――スタジオジブリでも一部の短編を除き、続編を制作してこなかったという歴史があると思うのですが、鈴木さんは続編に対してはどうお考えですか?

鈴木:
同じ事をやるのは面倒くさいんですよ。何か新鮮な気分になれないというかね。でも『花とアリス』は違うんだなと思いました。これはアニメでしかできない作品ですよね。今回のアニメ版は大人になった2人(鈴木杏、蒼井優)が演じる中学生ですから。実写では、急に若くなってくれといっても無理な話ですよね。

――鈴木さんはイベントなどで『風の谷のナウシカ』の続編の話に言及されたこともありますが。

鈴木:
あれは庵野(秀明)がやりたいと言っているだけですよ。いろいろあって、そんなにやりたいなら勝手にやってよと言っているんです。だって『エヴァンゲリオン』って巨神兵ですよね。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの)完結編がまだできていないでしょ。だから僕は庵野に言ったことあるんですよ。『最後にナウシカを出したらどうだ。そしたら話が終わるよ』って。(『エヴァ』には)お父さんしか出てないでしょ。だからお母さんを出す必要があるんじゃないかって。庵野は何も言わなかったけど(笑)。

――聞くところによると、岩井監督と高畑勲監督とは遠い親戚にあたるとのことで。就職活動の際に、高畑監督の元に訪ねて、映像業界について話を聞かせてもらったことがあったそうですね。

岩井:
血は直接つながっていないんですが、家系をたどっていくと親戚になるんです。高畑さんとは、それまでお会いしたことがなかったんですけど、仲のいい方のつてをたどって、お話を聞かせてもらえないですかとお願いしたんです。それで映画界のお話をさせていただきました。