情報誌『日経エンタテインメント!』が選ぶ「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2016」の授賞式が行なわれ、現在大ヒットしている『君の名は。』の新海誠監督が表彰式に出席しました。
登壇した新海監督は、「1年前の制作発表時には、まさかこんなヒット作品になるとは思いませんでした。本当にファンの皆様のおかげ」とグランプリに選ばれた喜びと感謝を伝えました。
“ポスト宮崎駿”と言われていることについて、「宮崎駿さんと名前を並べていただけるのは過大評価。あれほど仕事ができる方はこれまでもいなかったし、この先もいないと思います。昨日もテレビで放送されていた『紅の豚』を観ながら、そう思いました」と語り、「ただ、アニメーション監督を仕事に選んでしまった以上は作り続けていくしかないので、違うものを目指すしかないとだんだん思うようになってきました。宮崎さんと同じ方向に行ってもぜったい追い越せないので、宮崎さんとは違うものを出していきたい。例えば、宮崎さんには久石譲さんという完璧なコンポーザーがいて、完璧な映像と音楽のマッチングがあります。であるなら、全然違う方向の音楽じゃないと手触りが違う魅力のある作品にならない。じゃあ、ロックバンドの疾走感のある音楽をベースに、音楽を聴きながら作品を作ろうと思いました。これからも違うものを差し出していきたいという気持ちです」と、映画制作に対する熱い想いを語りました。
また、新海監督は「プロモーションが4か月続き、ずっと『君の名は。』だけの日々になってしまいました。年内には次の作品の企画案に入らなければ3年以内に出せないので、焦っている毎日です。まだ白紙ですが、観客の皆さんが何を臨んでいるのか、楽しんでもらえるのかを、この1、2か月で耳をすませて、目を開いて感じていけたらと考えています」と次回作への意欲を示しました。