高畑勲監督が、都内で行われたドキュメンタリー映画『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』公開記念トークショーに三上智恵監督と共に来場し、沖縄県・名護市辺野古の基地移設問題で抵抗運動を続ける人たちに対する思いを語りました。
壇上に立った高畑監督は「(三上監督の前作)『標的の村』もそうでしたが、こういう映画を作ってくれて本当に感謝しています」と切り出すと、「われわれは沖縄で具体的に何が行われているのか。現実にはあまり知らないわけなので、突きつけられた思いでいっぱいです」としみじみ。
高畑監督とは以前、映画祭などで対面したことがあるという三上監督は、「(高畑監督に)『火垂るの墓』では戦争は止められないんだよと言われ、ビックリしたんです。わたしを励まそうとしてだと思うんですが、あなたが作るようなドキュメンタリーなら戦争を止められるんだから、頑張りなさいと言われて。映画が作れなかった時期も、それがわたしを支える言葉になった」と述懐。
さらに三上監督は、土地開発をめぐりタヌキたちが抵抗運動を続ける高畑監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』について「今回、改めて観直してみて、あれこそ沖縄で戦っている人と同じだと思った。今こそ観るべき映画です」と力説しました。