鈴木敏夫プロデューサーと、ジブリ出身の映画プロデューサー・石井朋彦さんが、12月6日に都内にて対談を行ないました。
対談の内容は、ジブリに入社したばかりのころに石井さんが、鈴木プロデューサーから学んだ「仕事のイロハ」を紹介するかたちで進行。
入社当時、宮崎駿監督に恐縮していた石井さんは、鈴木さんから「宮崎駿の操作術」を教わったことを明かし、「情報の伝え方を教えてくださった。最初に結論を言えと。宮崎さんはせっかちなので、すぐに反論されるので、3つに小分けにして最初に『ご報告が3つあります』と言え」と述懐。高畑勲監督との対話においては、「すぐに答えるのではなく、言われたことに対して3秒間考えたふりをして返答するように」と教わっていたことを明かしました。
また、質疑応答では、「『君の名は。』についてどう考えているか」という質問があがり、鈴木プロデューサーは、東宝の川村元気プロデューサーに意見を求められ、「これはヒットするよ絶対」と太鼓判を押していたことを明かしました。
作品の内容については、「新海さんという人は、物語もセリフも音楽もキャラクターの芝居も、すべて背景が目立つように作っている。実に珍しい映画だと思った。まあすごい映画」と称賛。さらに「もうひとつ思ったのは、宮崎駿の影響をものすごく受けていると思った」と分析しています。
現在制作している、ジブリ美術館用の短編作品『毛虫のボロ』については、「来年の春には完成する。たぶん、6月か7月には見ていただける」と完成が近いことが明かされました。
最後に、宮崎駿監督の長編アニメーションへの復帰についても言及し、先日放送された「NHKスペシャル 終わらない人 宮崎駿」の中で、宮崎監督が鈴木さんに長編アニメの企画書を見せたことについて、「最後まで作れればいいな」と微笑み、「番組を見た方にはわかると思うんですけど、そう思っています!」と率直な思いを明かしました。
また、別のインタビューでは、宮崎監督が長編の企画を立ち上げたことについては、「 宮さん、しょっちゅうやるんですよあれ(笑)。引退以来初めてだってみんな思ったでしょう。これまでにもいっぱいあるんですよ」と語っており、宮崎監督の長編企画について、煙に巻く発言をしています。