Studio Ponoc スタジオポノック

スタジオポノックと国際オリンピック委員会(IOC)が、オリンピズム精神に基づく芸術記念作品としてオリンピック短編アニメーションを共同制作することが発表されました。
スタジオポノックの短編作品『ちいさな英雄』のプレミア上映が行われた第43回アヌシー国際アニメーション映画祭にて発表されたもので、IOCでのアニメーションの共同制作は初の試みとなります。



今回、国際オリンピック委員会がアニメーションに着手したのは若い世代への訴求が目的で、そのパートナーとして世界から注目を集めるスタジオポノックが選ばれました。
昨年の夏にオファーを受けたという西村義明プロデューサーは、当初「僕たちのアニメーションと、あのオリンピックの光景、アスリートたちの姿が結びつかなかった」と引き受けることに戸惑いもあったそうです。

同席したオリンピック文化遺産財団ディレクターのフランシス・ガベさんは、来年の東京オリンピックをきっかけとした国際的な文化計画として「日本と言えばアニメ」という考えから、「一般に人気があり、かつ芸術性も大切にするポノックに依頼した」と説明し、「描くのはオリンピズムであり、オリンピック競技を描いてほしいわけではない。子どもたちに向けて作ってほしい」とアプローチをしていたことが明かされました。

短編アニメーションは、すでに制作に入っており、ビジュアルはまだ公表されていないが、オリンピズムの精神である「卓越(Excellence)」「友情(Friendship)」「尊重(Respect)」をテーマにした短編作品となる予定です。

完成後は来年のアヌシー国際アニメーション映画祭でのお披露目や、東京2020オリンピックはもちろん、今後開催されるオリンピック開催地においても上映され続けていくとのこと。また完成後の作品はIOCに帰属し、スイス・ローザンヌにあるオリンピック・ミュージアムに収蔵されます。

西村プロデューサーは、「世界で初めてオリンピズムをアニメーション映画として表現する貴重な機会に恵まれ、大変光栄です。世界的行事のイズムを表すという分を超えた仕事に、重圧はありますが、オリンピックを楽しみに待つ世界の子どもたちの顔を思い浮かべながら、美しく、楽しく、そして歓びをもって、競争の末にオリンピックが見せてくれる“もうひとつの価値”を真正面から描きたいと思っています」と意気込みを語りました。

スタジオポノックがオリンピック用の短編を作ることで世界的に知名度を上げて、製作資金も潤うようになって、より良い作品を作れる環境が整うようになれば、ファンとしては嬉しいですね。