最新作『思い出のマーニー』の完成披露記者会見が、7月2日に東京国際フォーラムで行われました。声優を務めた高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、黒木瞳、主題歌「Fine On The Outside」を歌ったプリシラ・アーン、米林宏昌監督、西村義明プロデューサーが全員浴衣で登壇した。
『借りぐらしのアリエッティ』に続いて2作目を手掛けた米林監督は「製作が遅れて、たくさんの人に迷惑をかけながらも、無事作品ができ上がってほっとしてます」と安堵の表情を浮かべた。
ヒロイン・杏奈役の高月は「声優に初挑戦ということで、『大丈夫だよ。自信をもって』とジブリスタッフのみなさんに言われました」とスタッフに感謝した後、本作について「一生の誇りに思っています」と宣言。有村はマーニー役に決まった時「本当に信じられなかった」と喜びを語り、「私の宝物になる作品となりました」と手応えを口にした。
『思い出のマーニー』でプロデューサーを務めた西村義明氏は、宮崎駿監督と高畑勲監督が、本作を観て「すごくほめてくれました」と発表。「宮崎さんは、ふた言。『本当に頑張った。(米林監督が)1+1=5の男ってことがわかった』と。高畑さんも長文のメールで、すごく良いことを言ってくれました。『作画も、美術も、それ以降の工程もさすがはジブリだと言われるものを作った。ジジイが去った後、米林監督は、押しも押されぬジブリのエースだともてはやされるであろう。それはやぶさかではないし、祝福したい』と」。
また、西村氏は「不安もあったが、自信を持って力強い作品ができたと言える。『風立ちぬ』も『かぐや姫』もおじいちゃんだから完成できた作品。今回は12歳の少女を主人公にした映画で、麻呂さんをはじめ親世代の人間が、子どもを思って作った。ぜひ親子で楽しんでほしい」と本作への思いを語った。
米林監督は、その高い評価を受けて「うれしいと思います。ありがとうございます!本当に励みになります。自信をもってキャンペーンをやっていきたい」と、喜びを語った。
『思い出のマーニー』は、イギリス人作家、ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を、舞台を北海道に移してアニメ映画化したファンタジー。海辺の村に住む夫婦に預けられた少女・杏奈(高月彩良)と、不思議な雰囲気を持つ同い年の少女マーニーとの交流が描かれる。