テレビアニメ『巨人の星』などの作画監督を担当したアニメーター、香西隆男さんが26日、静岡市葵区のリビングカルチャーセンターで特別講座を開き、初期から携わってきた日本アニメの歴史や今後の展望などについて語った。また、来月14日に静岡市内で上映会が行われる香西さんが原画を手がけた映画『ありがとうジロー』の創作の苦労なども明かした。
“現役最年長のアニメーター”を自任する香西さんは、昭和30年代半ば、東映動画(現・東映アニメーション)在籍時に後輩だった宮崎駿監督について、「絵ができあがると、えくぼを浮かべて『見てみて』と話しかけてきた」と振り返った。
香西さんは次作は清水次郎長をテーマにした映画作品に挑戦する。「葛飾北斎は『90歳になれば自分の思うような絵が描けるだろう』と記している。私もこれから産声を上げるつもりで頑張りたい」と尽きない創作意欲を語った。