ついに、スタジオジブリから公式に発表されました。宮崎駿監督の新作『風立ちぬ』と、高畑勲監督の新作『かぐや姫の物語』が同じ日に公開されます。
両監督の作品が揃って公開されるのは、『となりのトトロ』と『火垂るの墓』以来、25年ぶりのこと。但し、今回は、同時上映ではなく、それぞれ独立した作品として同日公開されます。
発表会の中で鈴木プロデューサーは「宮崎駿監督が戦争ものに対して非常に造詣が深く、ゼロ戦を設計した人の生涯の話に、堀辰雄の恋物語をドッキングさせたらどんなお話になるだろう。そういうことから始まった」と経緯を説明し、そして「宮崎駿は昭和16年生まれで、戦争というものを避けて通れない。戦闘機とかタンクとか、みんなそういうものが好きなんです」と宮崎監督のルーツを紹介。さらに次のように続けた。
「ところが時代は日本が戦争に負けて、戦争反対の時代でもあった。宮崎駿は、その矛盾の中で生きた人。自分の好きなものが引き裂かれているんです。一方で戦争の兵器、一方で戦争反対という。なんで自分みたいな人間ができたんだろうということを映画の中で明らかにしたいと、そう話していました」
そして、高畑監督としては1999年『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、約14年ぶりの作品となる『かぐや姫の物語』は、その名のをとおり、竹取物語を題材にした作品。鈴木プロデューサーによれば”かぐや姫”の映画化は、2005年頃から構想があったという。もともとは長編映画ではなく30分程度の短編を考えていたものの「高畑さんの手にかかると、かぐや姫の身に何が起こったのか、何を思ったのか。それをちゃんと描くことで、ちゃんと(長編)映画になる」と経緯を明かした。また、足かけ7年がかりで完成した脚本を「『アルプスの少女ハイジ』を日本でやると、こうなるんだな」と表現している。
『風立ちぬ』
2013年 夏 全国ロードショー原作・脚本・監督: 宮崎駿
音楽: 久石譲
『かぐや姫の物語』
2013年 夏 全国ロードショー原作: 「竹取物語」
製作: 氏家齊一郎
原案・脚本・監督: 高畑勲
脚本: 坂口理子
音楽: 池辺晋一郎