高畑勲監督作品の『火垂るの墓』が、日本国内のNetflixにて7月15日より配信されることが発表されました。
スタジオジブリ作品が日本でネット配信されるのは、本作が初めてです。
但し、今後その他のジブリ作品も配信されるかというと、それは別の問題も絡んでくるものと思われます。
『火垂るの墓』はスタジオジブリが制作した作品ではありますが、権利を保有しているのは原作元の新潮社です。
これまでにも、DVD化の際にウォルト・ディズニー・カンパニーが手掛けていた「ジブリがいっぱいCOLLECTION」とは別に、『火垂るの墓』だけワーナーから発売されていたということがあります。
ネット配信に関しても、その他のジブリ作品とは別の道を歩んでいます。
従来のジブリ作品は海外では「Netflix」で配信されていて、アメリカではGKIDSが配給権を持っているため「Max(旧HBO Max)」が配信し、日本での配信は一切ありません。
スタジオジブリは日本テレビの子会社になったので、いずれ日テレ系列の「Hulu」で配信されるのではないかという見方もありますが、どうなるか今のところ不明です。
このように、権利が少々複雑になっているのでややこしい状況です。
ちなみに、鈴木敏夫プロデューサーはネット配信について、以前このように話していました。
鈴木:
ネット配信をしたら何が起こるかと言ったら、例えば今日本テレビの「金曜ロードショー」でジブリ作品を放送している。ネットでいつでも観られるようになったら、放送は観てくれなくなります。そもそもは映画館のスクリーンで観たいものですよ。どこに自分の目が行っているかで、感じ方が全然違うんだから。それがディスプレイのサイズになると一度に全部目に入ってしまう。そういうことをいろいろ考えると、ネット配信をやらないことがサービスだと思っているんです。
宮﨑駿監督も、映画をスマホで観てもらいたくないという考えを持っているため、当分の間はジブリ作品のネット配信はないかもしれませんね。