宮崎吾朗宮崎吾朗監督が挑む、初のテレビアニメーションシリーズ『山賊の娘ローニャ』の完成試写会が開催されました。3DCGアニメで描く作品となるが、「3DCG、結構いけるじゃん」と手応えを口にした。
同作は、吾朗監督が初めてスタジオジブリを離れて制作した作品で「本当にジブリに帰れるのか心配。皆さんと同じような現状認識しかないので、ジブリがどうなっているのか分からない。武者修行に行ったままになるのかも……」と話しました。



吾朗監督は、今回、スタジオジブリを離れて監督業に専念しているが、「ジブリの鈴木に、“ジブリにいる限り、宮崎駿の影響下からは逃れられない。1回、外でやってこい。武者修行だから”と言われて」と、鈴木プロデューサーの一言がきっかけだったとのこと。

試写会には、ドワンゴの川上量生プロデューサーやローニャ役の白石晴香さん、ビルク役の宇山玲加さんらも登場。吾朗監督は、同作を制作することになった経緯を「『コクリコ坂から』が終わった後、ジブリで腐っていたところ、川上さんに声をかけてもらった。

また、3DCGの手法に挑んだ理由は、「どうせやるんだったら、CGにしなよと言われまして」と、鈴木プロデューサーの後押しがあったそう。「そんなバカなという気もしたんですが、元々、僕はアニメーションを若い頃からやってきた人間ではないので、この期に及んで新しいことに挑むのが嫌だという人間でもない。あえてCGでやってみようと思った」と強い決意を明かした。

繊細な感情表現にもトライし、「3DCG、結構いけるじゃん」と手応えも十分に感じている様子の宮崎監督。一方で「ジブリに帰れるのかなと」と不安を覗かせ、「ここ1年くらいジブリに行っておりませんので」と苦笑い。

「前にも一度、鈴木にだまされている。ジブリ美術館の館長をやっている時も、“映画(ゲド戦記)が終わったら美術館に戻れば良い”と言われて戻れなかった。武者修行に出っぱなしになるんじゃないかと、自分で自分が心配」と心境を話し、会場を笑わせていた。

試写会終了後、吾朗監督は「父が宮崎駿なので、この年になっても息子であることを意識し続けている」と明かした上で「自分のことを作家とは思っていない。作家性を持った作品を作るのなら庵野さん。僕は“ポスト宮崎駿”にはなりえない」と語った。