宮崎駿さんが会長を務める市民団体「淵の森の会」は17日、東京都東村山市と埼玉県所沢市にまたがる「淵の森」にて、毎年恒例の下草刈りを行ないました。
今年は、淵の森の保全活動が始まって20周年にあたり、ボランティアや宮崎監督のファンが集まり、過去最高となる340人以上の参加者であふれました。
この地は、1996年に宅地開発されそうになったとき、宮崎さんが3億円を投じ、東村山市と所沢市に寄付をしました。現在は、公有地となり、両市によって管理されています。以来、定期的にボランティアによる保全活動が続いています。
宮崎さんから、始まりの挨拶があり「今年は暖冬で、ハナウドなどの新しい芽が出ているので気を付けてください。いちばん貴重な在来種を踏みつぶしてしまうことになるので、ササ刈りはほどほどに枯れ枝や倒木を片付けてください」と注意点が述べられました。
作業が一斉に始まると、参加者は軍手に鎌やハサミを持って、下草刈りや倒木運びに精を出し、瞬く間に枯れ枝の山ができました。
毎年、全国各地から参加者が集まっていますが、この日は外国からの参加者も多かったです。イタリアから、この日のために来たという、絵の勉強をしている女性は、宮崎駿監督の似顔絵を描いてきて、ご本人に受け取ってもらえて嬉しいと語っていました。
この日のイベントには、自分も含めて大勢のジブリファンが詰めかけていますが、忘れてはいけないのは、ボランティアの方はこのイベントだけではなくて、年間を通してこの地を守っているということ。
宮崎さんは「毎日森を見ているので、20年といっても感慨はあまりない。森の生態系がかなり元に戻り、皆さんのご協力に感謝します。日々保全活動をしている人と、こうしたイベントの参加者の双方が協力して、活動が続いていけばいいと思う」と話しました。
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