『なつぞら』第16週では、短編制作と夕見子の駆け落ち問題と、なかなか濃い内容となりました。
何かと芯のある意見を申す夕見子でしたが、今回の駆け落ち相手はなんだか気取った雰囲気の見える芯のなさそうな男に見えましたが、こういったしっかり者の女性が一風変わった男に入れ込むというのは実際にあるあるのようです。
第91話「ペラっと」
第91話では、短編『ヘンゼルとグレーテル』の作画が順調に進んでいきます。天才アニメーター・神地くんも原画を描いていき、そのチェックをなつに頼みます。そのときに紙をペラっと裏返してデッサンチェックをします。
これは奥山玲子さんが実際にデッサンを確認するときに行なっていたことで、小田部羊一さんも『安寿と厨子王丸』のときに奥山さんからペラっと返されてチェックを受けたそうです。
そして、肝心な短編の絵コンテは井戸原さんと仲さんから社会風刺の意図が感じられると突っ込まれます。それに対して、「見る側がどう受け止めるかは自由じゃないでしょうか」と坂場くん。「自由だけど、子供が楽しめるものにしてほしいだけなんだよ」と仲さん。それに坂場くんは、「その考えはもう古いんじゃないでしょうか」と食い下がります。高畑勲監督が『やぶにらみの暴君』を観て、アニメーションとは大人の鑑賞に堪えうるものだと感銘を受けたその志が、坂場くんにも継承されているようです。それにしても、言葉選びが不器用すぎるぞ坂場くん!
第92話「ただのオタクな高山くん」
第92話では、夕見子の駆け落ち相手の高山くんが「風車」にやってきて、新しいジャズがうんたらかんたら言って、「これまでのジャズは古い」と蘊蓄を述べて去っていきます。
一方、短編『ヘンゼルとグレーテル』では、坂場くんと仲さん・井戸原さんの2人と若干やりあうシーンがあり、ここでも子供だけが楽しむアニメーションはもう古いと坂場くんは引きません。どうやら、音楽もアニメーションも、ここが時代の変わり目のようです。それにしても、坂場くんには信念を感じるけど、高山くんはただの気取ったオタクにしか見えません。おんじ、ガツンとパンチを入れてくれ。
第93話「北海道トリオの休日」
第93話では、特にストーリーが大きく動くこともなく、なつと夕見子と雪次郎の北海道トリオの休日が描かれます。
映画鑑賞をして洋画の吹替えを想定して劇場でボソボソとつぶやく雪次郎。川村屋にカレーを食べに行ったら、マダムにジャズ喫茶の経営を相談する夕見子。とても行く末が心配な二人です。今のところ、地に足が着いているのはなつだけとなりました。
第94話「坂場くんの高畑勲感」
第94話では、短編『ヘンゼルとグレーテル』の制作が佳境を迎えています。演出を務める坂場くんの要望がなんにでも理屈を求める難しいもので、原画を務めるマコさんとなつはダメ出しを食らい続けてうんざりとしていきます。なんという高畑勲感なんでしょう。
一方、夕見子の駆け落ち話については、富士子さんがそろそろ迎えに行こうとします。しかし、両親が行ってしまうと逆なでしてしまう可能性があるため、泰樹おんじに白羽の矢が立ったのでした。
第95話「ターミネーターおんじ」
第95話では、夕見子と高山くんが風車にやってきます。なつが夕見子のことを富士子さんに話したため居所がバレてしまい、もうここには来ないと怒る夕見子さん。そして、とりあえずご飯を食べようとなだめる亜矢美さん。朝食を食べながら会話をしていくうちに、駆け落ちをしても上手くいかないと言い出す高山くん。雨降って地固まるの展開に向かうのかと思いきや、高山くんはあまり夕見子のことを理解しておらず、そのことに怒り心頭のなつ。ケンカ別れをして高山くんが風車から出ようとしたとき、入口にいたのは夕見子を迎えに来た泰樹おんじなのでした。
「おまえか」と一瞥するおんじ。「抹殺!」と呟き、おんじ怒りのパンチがさく裂し、一件落着するのでした。この日のおんじは、ターミネーターのようでした。
第96話「マコさんの退社」
第96話では、なつたちが作っている短編『ヘンゼルとグレーテル』のアフレコが行なわれました。魔女役には、もう何度も登場している亀山蘭子さんが担当します。この魔女を絶賛する蘭子さん。そして、魔女の作画を担当したマコさんも、この仕事で達成感を得ることができたのでした。東洋動画のメンバーは、打ち上げとしてハイキングに行くのですが、そこでマコさんは結婚をして退社することを告げます。まさかの展開に驚く一同。なつに「戻ってきてください」と言われてましたけど、マコさんの復帰はあるのでしょうか。
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