雲からも風からも 透明な力が そのこどもにうつれ

セロ弾きのゴーシュ「セロ弾きのゴーシュ」(1982年1月23日公開)
英題/Goshu the Cellist
原作/宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」
監督・脚本/高畑勲
企画/小松原一男
キャラクターデザイン・原画/才田俊次
美術/椋尾篁
音楽/間宮芳生
「田園」演奏/間宮芳生指揮・東京室内楽協会 
岩城宏之指揮・NHK交響楽団
製作/村田耕一
監修・題字/宮沢清六
上映時間/63分
配給/映画センター全国連絡会議
制作/オープロダクション

声の出演

ゴーシュ 佐々木秀樹
楽長 雨森雅司
ねこ 白石冬美
かっこう 肝付兼太
子だぬき 高橋和枝
野ねずみの子・ヴィオラの娘 よこざわけい子
野ねずみの母 高村章子
コンサートマスター 槐柳二
司会者 矢田耕司
チェロ主席 千葉順二
Aさん 三橋洋一
団員 峰あつ子
団員 横尾三郎

高畑勲監督コメント

賢治の考えていたゴーシュは決してかけだしの新米演奏家ではなく、前に別の楽団にいたこともあるウダツのあがらぬ職業楽士でした。長年のヘボ楽士が突然名人に変貌する。そこには寓話としての強さと明快さがありますが、私達はやはり自分達の素直な読みにもとづいてゴーシュを煙草を吸うには若すぎるくらいの青年人せざるをえませんでした。
私達は、ゴーシュという下手なセロ弾きのなかに、内気で劣等感が強く、それでいて自尊心を傷つけられることには敏感だった自分達自身の青春時代の思い出や、対人関係に極度に臆病なあまり、無愛想で無表情にみえるまわりの青年たちの似姿を見出したのです。