本日ご紹介するジブリ本は『もののけ通信』です。
タイトルに、「もののけ」とありますが、『もののけ姫』を扱っているわけではなくて、表紙をご覧の通り『となりのトトロ』が題材の書籍です。
「もののけ」とは、「物の怪」と書いて、一般的には妖怪を指しますので、トトロやネコバス、マックロクロスケはもののけの類ということなのでしょう。
この本では、映画本編のフィルムを使って、絵本のように物語が進行していきます。フィルムコミックだったり、ロマンアルバムに掲載されているフィルムストーリーのテイストに近いでしょうか。
実は、『となりのトトロ』は、5月から8月までの出来事が描かれた作品でして、この本では「月刊もののけ通信」として、月別にストーリーが紡がれています。
ちなみに、編集発行人は大トトロで、発行所はもののけ通信塚森支社が行なっています。購読料は、どんぐり12個だそうです。
で、この本の大部分はフィルムストーリーですので、何度も映画を観ている人には、新しい発見はないかもしれません。
しかし、この本をオススメしたいところがあって、あとがきを書いたのが水木しげるさんなのです。
ほんの数ページではありますが、水木さんが宮崎作品を語るのって珍しいことで、滅多にありません。
考えてみれば、宮崎さんも自然信仰であったり、奇妙なオカルト的なものを独自の世界観で表現してきました。水木さんとも、相通ずる部分があったわけです。
そんな水木さんが、宮崎作品をどう観ていたのか。ちょっと読んでみたくありませんか?
もののけ通信『となりのトトロ』より |