宮﨑駿イメージボード全集 ナウシカ前史

「宮﨑駿イメージボード全集4 ナウシカ前史」を買ってきました。

本書は、往年の宮﨑・ジブリファンには説明の必要もないかと思いますが、「ナウシカ前史」とはなんぞやと思われた方も、少なからずいるんじゃないでしょうか。



簡単に言ってしまうと、1984年に公開された『風の谷のナウシカ』は紆余曲折の末に出来上がった作品なので、その履歴としてのイメージボードが掲載されているというのが、本書の特徴です。『風の谷のナウシカ』の前日譚というわけではありません。

宮﨑駿イメージボード全集 ナウシカ前史

1979年に『ルパン三世 カリオストロの城』を公開した宮﨑駿監督は、本作で興行的にコケてしまったため、次作の制作機会が失われてしまいました。
そんな折、宮﨑監督は自身で次々と企画を立て、イメージボードを描いていきます。

そこで描かれたのが、後の『風の谷のナウシカ』に繋がっていく、数々のイメージボードでした。
しかし、それらの企画はまったく通らず、日の目を見ることなく埋もれていってしまいます。

宮﨑駿イメージボード全集 ナウシカ前史

仕事がなくなってしまった宮﨑監督は、生活に困って鈴木敏夫さんに相談します。
当時、徳間書店に勤めていた鈴木さんは、「アニメージュ」で漫画を連載しないかと提案し、始まったのが漫画『風の谷のナウシカ』です。

膨大なイメージボードを描きながらもアニメーション化の企画が通りませんでしたが、それらは『風の谷のナウシカ』として結実することとなります。
後に、宮﨑監督はスタジオジブリで数々の名作を作っていきますが、それらの源泉はこの当時描いたイメージボードにあったとも言えます。

宮﨑駿イメージボード全集 ナウシカ前史

本書では、ロルフ、グールの王女ナウシカ、土竜とクシャナ、戦国魔城、風使いの娘ヤラのイメージボードが掲載されています。
『風の谷のナウシカ』へと繋がっていく様子がわかるような構成になっています。

宮﨑駿イメージボード全集 ナウシカ前史

また、「ナウシカ前史」のイメージボードというと、「風の谷のナウシカ 水彩画集」にも収められているため、その違いが気になる方もいるんじゃないかと思います。
本書は、全192ページで、未発表58点含む188点完全収録となっています。特にロルフが多かったでしょうか。
ここで初めて公開されたものも多いですし、印刷レベルも当時よりは高くなっています。

宮﨑駿イメージボード全集4
「ナウシカ前史」

≫Amazonで詳細を見る
≫楽天で詳細を見る