2014年10月に米国公開された高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が、第16回ゴールデン・トマト賞の外国部門の3位に輝いた。アワードを選出するロッテン・トマトは米国を代表する映画批評サイト。自サイトでの読者投稿による評価を受付けるほか、新聞や雑誌、サイト、評論家などの批評を集計・数値化して発表している。映画ファンや業界関係者からも高い信頼を得ている。
ゴールデン・トマト賞は2014年の批評を集計したもので、ジャンルごとにランキングを発表している。『かぐや姫の物語』は、この外国映画部門で『グロリアの青春』、『リヴァイアサン』に続く第3位となった。
Rotten Tomatoesでは少なくとも専門家による批評が40以上あることが条件としたうえで、批評のあった数なども含めた独自計算式で修正されたAdjusted Scoreでランキングをだす。『かぐや姫の物語』は評価あった全メディアで肯定的な評価を受けて修正前で100%、修正後はさらに101.34%に上昇した。
しかし、『グロリアの青春』はこれを上回る103.01%でトップとなり、『リヴァイアサン』も101.46%と『かぐや姫の物語』をわずかに上回った。『グロリアの青春』はベルリン国際映画祭の銀熊賞(監督賞)受賞作、『リヴァイアサン』はカンヌ国際映画祭の最優秀脚本賞の受賞である。『かぐや姫の物語』は、これらの作品と同等の評価を得ていることになる。
注目されるのは『かぐや姫の物語』の101.34%は、アニメーション部門でもトップクラスの数字になることだ。今回アニメーション部門は、外国映画を除くかたちでランキングを算出している。そのなかでトップとなりアワードを獲得したのは、104.08%の『レゴ・ムービー』だった。
『かぐや姫の物語』の101.34%は、アニメーション映画で見るとこれに続く数字だ。実際には2014年に米国でも評判の高かった『ヒックとドラゴン2』(97.53%)が2位、『ベイマックス』(94.65%)が3位だった。『かぐや姫の物語』の数字はこの2作品を大幅に上回った。
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