アメリカのアカデミー賞から、宮崎駿監督にアカデミー名誉賞が贈られました。ついに、宮崎駿監督も、ロサンゼルスのハリウッドで行われた式典に出席。会見では、賞への姿勢と今後の活動について語りました。
アカデミー名誉賞は、類まれなる功績を残した世界の映画人に贈られる賞。宮崎監督の受賞は、日本人としては、1990年に受賞した黒澤明監督以来24年ぶり2人目の快挙となります。
オスカー像を受け取った宮崎さんは「一番よかったことは、今日、モーリン・オハラに会えたこと。生きている間に会えるなんて夢にも思わなかったです。すごいですね。生きていると色んなことがあるんだと本当に思いました」
オハラが94歳ということで、自身を「本当に小僧」に感じたといい、「なので、あまりリタイアとかそういうことは声に出さずに、やれることはやっていこうと思いました」と笑みを浮かべた。
また「自分が50年、この仕事を続けてこられたのは、日本が色々あっても経済的に安定していたこと。安定していたのは、やはり戦争しなかったことだと思います」と話しました。
会見の様子はニコニコ生放送でも紹介され、受賞について宮崎監督は、友人でありピクサーCEOジョン・ラセターの名前を挙げ「ラセターさんの陰謀ではないかと、相当運動したに違いないとか、いろいろと思っているんです」と笑顔でコメント。
「賞ってもらえないと頭にきます。けどもらって幸せになるかというとならないんですよ」と切り出すと、「それで自分の仕事が突然良くなるってことはない。もうとっくに終わった仕事ですから、その結果を一番良く知っているのは自分。あそこは失敗したとかそういうものをいっぱい抱えて映画って終わるんですよ。映画は自分で終らせないといけない。だから、もらえればうれしいだろうけども、賞によって決着はつかないんです。むしろそれなりに翻弄されますから、ドキドキするだけ不愉快ですよね」と持論を展開した。
今後のアニメとの関わりについては、長編作品の製作は改めて否定しつつ、「大きなものは無理ですけど、小さいものでチャンスがあるときはやっていこうと思っています」とコメント。「三鷹の森ジブリ美術館」で公開する短編は「作れる限り作っていく」と明かした。