第27回東京国際映画祭で開催されている特集企画「庵野秀明の世界」で10月27日、庵野秀明監督がアニメ監督にスポットを当てたトークショーを行いました。
庵野監督といえば、『エヴァンゲリオン』で一大ブームとなり、97年には2部作の劇場版が製作されました。「テレビで時間のなかった25、26話と新作を両方やりますと言ったけれど、やり切る気力がなかった。でも、最初のプロットを見るとちゃんと書いてあって、『進撃の巨人』にソックリだった」というエピソードを明かしました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版(EVANGELION:3.0+1.0)』についても言及し、「やり遂げます。お待たせしていますけど、『序』が2007年、『破』が09年、『Q』が12年の公開だから、(次回作の公開まで)2年、3年とかかってきたので、次は4年、いや6年、間隔が空いてもいいのかな(笑)。いや、頑張ります」と言い切りました。
98年から「ラブ&ポップ」など実写にも進出し、2007年から手掛けているのはデジタルで再撮影した「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ。「いつも1試合(1作品)で完全燃焼するけれど、ヱヴァは魂の削られ方が激しい」と苦笑いだが、期待される第4作については、宮崎駿監督にも激励されていることを明かした。
「エヴァンゲリオン」のテレビシリーズ終了後も、電話で「俺もそうだ。休めばいいんだ。作れるようになるまで、好きなだけ休めばいいし、あれだけのものを作ったお前なら、人も金も集まるから」とアドバイスされたことが大きな糧になったと強調。「新劇場版」に関しても、「大変なんだってな。そんな時はやめちゃえばいい」と言われ気持ちが傾いたそうだが、「その後すぐに『やった方がいい』って言われて。宮さんは日替わりで言うことが変わるから」と苦笑いしつつも、あらためて新作を届けることをファンに宣言した。
『エヴァ』の次回作について話しながら、庵野氏は「今、思い出して泣いちゃった。つらいこと思い出して」と、ほんの一瞬だが涙をぬぐうひと幕もあった。