爆笑問題の太田光と鈴木敏夫プロデューサーが17日、高畑勲監督作『かぐや姫の物語』DVD&ブルーレイ発売記念イベントに登場した。高畑作品が大好きだという太田は、ジブリのもう一人の巨匠である宮崎駿監督を引き合いに出して、「宮崎駿が嫌いなんですよ。何か気持ち悪い」と衝撃発言で爆笑をさらった。
太田は、本作をはじめ高畑作品のファンであることから、DVD&ブルーレイの特命コピーライターに就任。「1行いくらくらいなんですか?」とおどけて見せるが内心穏やかではないようで、「ジブリは暴力団以上の圧力がある。『太田がジブリを汚しやがって』ってアニメオタクとか言いそう。心配ですよ」とこぼしながらも、公開会議を始めた。
本作にはすでに「姫の犯した罪と罰」というコピーがついているが、高畑監督は納得していなかったのだとか。それだけ難しいコピーに初挑戦かつ考える時間が1時間しか用意されていないということで、「一言で決めることは難しい。『笑点』だって台本あるんだよ」と太田のボヤキは止まらない。
そんな中、本作の印象を聞かれた太田は「宮崎駿が嫌いなんですよ。何か気持ち悪い」と切り出し、「宮崎駿さんにスポットが当たることが多いけれど、高畑さんの作品の方がまっとうで斬新な気がする」「高畑さんは自分がやりたいことには妥協しない、暴君と言っていいかわからないけど、貫き通すところは尊敬できる」と話し、「実際にリアルな風景を見ている以上に懐かしい。画面のどこも見逃せないようなアニメーションはほかにはない」と熱くアピールした。
太田が、かぐや姫を「男を振り回すところがあるし、女の本質はそういうところかもしれない」と分析すると、鈴木プロデューサーも「高畑さんは昔、格好良くてモテたらしいんですよ。高畑さんが女性をどう見ているのか垣間見えますよね。『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』で何が違っているかというと、女性の描き方」と解説。作品を紐解く過程で、「女ってわからない」「ああ、無常(無情)」などのコピー候補があがり、太田は悪戦苦闘しながらも「『かぐや姫』は敷居が高いという人にも見せたい」と息巻いていた。決定したコピーはポスターなどに使用され、12月にお披露目される予定だ。
また、太田は映画監督業にも意欲をのぞかせており、「自分の中ではシナリオはできているんです」と意気込んだ。鈴木プロデューサーから「業界にプロがいっぱいいるけど、そういう人たちは全部無視すること」とユニークなアドバイスを受けると、「新人監督には難しい」と笑いを誘っていた。