『山賊の娘ローニャ』で初めてのテレビアニメーションシリーズに挑戦する宮崎吾朗監督が、今作への思いと父・宮崎駿、そして自らの進むべき道について語りました。
「これまでの3DCGは、人間を表現することが苦手で。今回は、セルルックという、手描きのセルアニメーションと同じような見た目でどこまでできるかだと思っています」と、その難しさについて話す。
実作業をしてみての印象は「3DCG、結構いけるじゃん」と手応え十分。「3DCGは手描きよりも時間がかかってしまう」というが、感じた魅力も多かった様子だ。「手描きの場合、時間や人材、お金などいろんな問題があって、キャラクターを動かし続けるのがなかなか困難なわけで。その困難に打ち勝とうとすると、宮崎駿のような一人のスーパーマンが頑張るしかないということになると思うんです」。
父を「スーパーマン」といいつつ、「今回一緒にやっているポリゴン・ピクチュアズのスタッフたちは、アメリカの作品の作業をしていたり、ゲームの仕事をしていたりと、動かし続けることが前提になっていて。動きを止める方が苦手だったりするんですね。だったら、“動かしてしまえ”とどんどんエスカレートしていくんですが(笑)。要は、手描きの絵というのは、画力でもつ部分があるけれど、CGのキャラクターの場合、動かしてこそ命が吹き込まれる。彼らはそのことを実に、忠実にやってくれています」と新たなスタッフたちから大きな刺激を受けていた。