鈴木敏夫プロデューサーが特別編集長を務めた、「AERA」をようやく読み終わりました。
ジブリ特集が入りながらも、社会派の体裁がくずれない構成になっており、たいへん面白かったです。それから鈴木さんが、これまでのジブリを振り返っている感じがして、ひとつの時代が終わったんだなと、しみじみ。
かなり貴重な1冊になるんじゃないでしょうか。ジブリファンの方は買いましょうね。
宮崎駿 引退後の初仕事
巻頭特集では、宮崎駿監督引退後の初仕事となった、ジブリ美術館の展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」特集。
美術館で展示されている、宮崎監督のイラストがいくつか掲載されています。
これは、美術館でしか見れないと思っていたので、とても嬉しい。
AERA (アエラ) 2014年 8/11号 [雑誌]
庵野秀明・安野モヨコ夫妻が語る、宮崎駿のこと
そして、庵野秀明・安野モヨコ夫妻が、「クルミわり人形展」に訪れ、宮崎駿の世界を語ります。庵野夫妻の温かな雰囲気が伝わってきます。
「宮さんは、『風立ちぬ』で溜まったストレスを発散したのかも」と庵野監督。
スタジオジブリ30年の功罪
大ヒットを続けるジブリの功罪について語る、養老孟司×川上量生の対談。
鈴木敏夫 編集長だから実現したような対談ですね。
「ジブリについて、あまりにも悪いことを言う人がいなくて怖かった」と鈴木さん。
スタジオジブリをゼロにはできない
宮崎吾郎監督が語る、父・宮崎駿とジブリの未来について。
ジブリの後継者問題についても、言及しています。
映画はすべて「書き言葉」に始まる
作家の藤原智美さんによる寄稿。とても興味深い内容です。
ネットでは他者の言葉を多用できるため、個の自立した創作力が衰弱していると指摘しています。
藤原さんの本を読んでみたくなる内容です。
ジブリ作品を育てた本の森
鈴木敏夫を宮崎駿につなげた232冊
鈴木さんが私的に持っている本をピックアップして紹介。
作家が重複しないように選択しているためか、とても幅広いジャンルの本が選ばれていますね。
半藤一利より宮崎駿への手紙
『腰ぬけ愛国談義』で宮崎監督と対談した、半藤一利さんが宮崎監督に宛てた手紙。
主に、日本の時勢について。『愛国談義』の続きという感じ。
手紙のやりとりを続けて、本にしてほしいですね。月刊連載とかで、宮崎監督も書いてくれないかなぁ。
スタジオジブリ 脱大企業の「裏方」セブン
スタジオジブリの社長をはじめとした、裏方でジブリを支えるスタッフ7名を紹介。なぜ大手企業からジブリにやって来ることになったのか語ります。
星野康二:代表取締役社長/中島清文:ジブリ美術館 館長/野中晋輔:制作業務部 取締役部長/武田美樹子:海外事業部 部長/坂谷慎一:ジブリ美術館 副館長/田居因:出版部 取締役部長/西岡純一:ジブリ美術館 事務局長
人生残り3分の1どう生きようか
上野千鶴子さんと、鈴木さんの対談。
団塊の世代であるふたりが、これまでの人生と、これからの人生を語り合う。
鈴木さんの「人のためにやってきて、何もやってない感がある。残りの時間は自分のために使いたい」という言葉が印象的。
後記「日本が嫌いになった日本人」
鈴木さんによる本号のあとがき。
『アナと雪の女王』が、なぜこれほどヒットしたのか、現状の日本の分析が興味深いです。
AERA (アエラ) 2014年 8/11号
発売:2014年8月4日
価格:410円
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