『思い出のマーニー』舞台あいさつ。出演者のコメントまとめ

昨日行われた、『思い出のマーニー』の完成披露会見で語られた、出演者のコメントをまとめました。
ニュースサイトに書き起こされたものを、コメント部分だけまとめています。順序や言葉の言い回しも、実際とは違うと思います。昨日、見に行かれた方には違和感があるかもしれません。

マーニー／有村架純のコメント

今回、300人のなかからオーディションで選出され、ヒロイン声優の座を射とめた有村は、「決まったときは本当に信じられなくて、『ウソですよね、ウソですよね』と何度もマネジャーに確認した」

「数々の役者さんが声優をしてきたジブリ作品の中に、自分の名前が残るプレッシャーもありましたが、監督が、私のことを採用してくれたということに自信を持って最後までやり遂げることができました。
見終わったら、物語に引きこまれて、すぐに立てませんでした。杏奈にもマーニーにも感情移入できますし、それぞれのキャラクターも癒やされるキャラクターばかりで、美しい風景とかお家の飾りや小物など全てが一つの作品を作り上げていて、何ひとつ欠けちゃいけないんだなと感じました。私にとっては、宝物と言える作品になりました」

「オーディションに受かった日から本当に楽しみで、ドキドキワクワクしていましたが、収録をした日から今日まで、あまり出演した実感が湧かなくて。いい作品に自分が参加できているということが、すごく今……、本当に夢みたいで…なんか…。声優も本当に初めて挑戦させていただいたので、自分の中ですごく不安もあったんですけど、こういう風に舞台に立てていることをすごくうれしく思うし、杏奈役が高月さんで本当によかったと思います。杏奈が隣にいてくれたから、マーニーを演じることができたと思います。ありがとう」

アフレコについて
「杏奈に対してマーニーは、どんな気持ちで接しているのかをいつも考えていました。その中で『包み込むような存在でいたい』と思ってアフレコをしていました」。

「高月さんとずっと一緒で、はだしでアフレコに臨んだのが心に残ってます」

「もし自分が友達になるなら杏奈とマーニ―のどちらがいい？」という質問には、
「自分がマーニーを演じたからかもしれませんが、マーニーですね。天真爛漫で明るく振る舞いながらも、きっと悲しいことや辛いことをたくさん抱えているんだなと思うと、すごく感情豊かな気がして、一緒に泣いたり笑ったりしてくれそうなので」

杏奈／高月彩良のコメント

「今こうして大きな舞台に立てていることが夢みたいです」

「大好きなジブリ作品に参加できて、率直にすごくうれしかったです。映画が完成し、やっと夢じゃなかったと実感しました。五感が敏感になり、風や音や、匂いなど、すべてのものが美しい映画です。米林監督が描かれる女の子が魅力的で、心の機微も描かれていて本当に感動しました。」

「杏奈ちゃんは、自分の気持ちを素直に言えない不器用な女の子ですが、マーニーとの出会いでたくさんの人に愛されていることに気づき、成長していきます。私自身もアフレコ初挑戦で戸惑っていましたが、スタッフさんに支えられ、杏奈と共に成長することができました。声優初挑戦でたくさんの方にご心配ご迷惑をおかけしましたが、”大丈夫だよ、自信を持って”とジブリの方が言ってくださったおかげで、たくさんの愛に支えられながらこの日を迎えられました」とスタッフへの感謝を伝えながら「この作品を大事に、一生の誇りにして生きていきたい」

「食事のシーンでリアル感を出すために、寒天もちを食べたんですが、おいしくてアフレコどころじゃなくなりました（笑）」と述懐。

「もし自分が友達になるなら杏奈とマーニ―のどちらがいい？」という質問には、
「杏奈ですね。私も杏奈と似ていてすごく不器用で、気持ちを伝えたりするのが苦手なので、似た者同士で友達になりたいなと思います」と答えていた。

頼子／松嶋菜々子のコメント

「母として娘を見守る感情は理解できました。娘を思いやる気持ち、初めての子育てで迷ったり立ち止まったりするそのままを出せばよかったので、感情移入して演じられました」

「ナウシカからのジブリファンで、作品はほとんどぜんぶ見ている」とのことで、養母役については「私も母親なので娘を思う気持ちはわかります。年頃の女の子の心の葛藤がよく描かれていて『分かるなぁ。私も小さいときこうだったな』と思い出しました。リアルタイムで演じることができました」

大岩清正／寺島進のコメント

「俳優をやってて初めて娘孝行ができた」

「ジブリ作品はいつも娘が観ているのを晩酌のBGMにしてたけどちゃんと観たことはなかった（笑）。今回は最初から最後まで真剣に観て感動しました！」と語り、

「まさかジブリに出られるとは」
と驚きを隠さなかった。

大岩セツ／根岸季衣のコメント

「寺ちゃんがいたからこそできました。実写映画だったら、犯罪のひとつやふたつあってもおかしくない二人ですが(笑)、暖かい夫婦役をやれて嬉しかったです」
と話し、会場の笑いを誘った。

「ご飯をキッチリ食べることをポリシーにしていますが、セツさんには負けました。プチトマトを落としそうになり、拾いながらもしゃべり続ける彼女に注目してください」

老婦人／森山良子のコメント

「アニメをやらせていただくのは初めてで、どんな仕事だろうと楽しみにしていたら、スタッフが『良子さん、老婆役だそうです』と言ってきて、どういうこと!? と(笑)。老婆というのが若干胸に刺さったものですから、老婦人ということでイメージを上げていただきました(笑)。役名が『老婆』だけでしたが、何度かやりとりする中で『老婦人』に昇格させていただきました」
と茶目っ気たっぷりに語った。

久子／黒木瞳のコメント

「世界中に愛されるジブリ作品に自分がいるのがとてもうれしいです。たくさんの方に見ていただきたい」

「この作品にはいろいろな秘密が用意されていて、杏奈の髪留めにも意味があったことに驚きました。あと、食べるものが本当においしそう!」

主題歌／プリシラ・アーンのコメント

プリシラさんは10年ほど前からジブリ作品の大ファンだったことを明かし、
「今回、主題歌の依頼のメールをいただいたときは信じられずに『ハッ』と息をのんでしまい、夫が『大丈夫？』と心配するくらいでした（笑）」

プロデューサー／西村義明のコメント

「『借りぐらしのアリエッティ』から4年経っており、米林監督にとっても新たな挑戦でした。現場でも期待と不安が入り交じっていましたが、力強い作品ができたと思います」

「宮崎さんは”本当に麿呂はがんばった。1+1が5になる男であることがわかった”とすごく褒めていました」
と伝えた。

また、高畑勲監督からは長文メールが届いたことも明かした。

「メールの内容は、”作画も美術もそれ以降の工程についてもがんばっていて、さすがジブリだと言わせるものを作った。ジジイが去った後、米林監督は、押しも押されぬジブリのエースだともてはやされるであろう。それはやぶさかではないし、祝福したい”でした」

「新しいものを取り入れるということで、何もかも見えない状況でした。良い作品が作れるのか、日々不安でした。
作品ができ上がった今、何を思うのかというと、記者会見でお話したことは達成できたんじゃないかと。宮崎さん、高畑さんは『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』を作りましたが、あれはおじいちゃんでないと作れない映画なんです。
今回、米林監督が作った映画は、主人公が12歳。米林さんもお子さんがいらっしゃいますが、親世代になって子どものことを思ってようやく作れた作品なんです。ぜひ親子で見ていただきたいですね」

監督／米林宏昌のコメント

「たくさんの方の力を借りてこの作品を作りました。全てを知った上で、もう一度観ると違った角度でみえてきますので、ぜひもう一度観てください！　…なんて言っちゃったりして…（笑）」

『借りぐらしのアリエッティ』から、2作目の監督作については、

「当時は達成感でいっぱいだったが、時間が経つうちに『こうすれば良かった』と反省点も目につくようになった。2作目がもし作れるなら、もう少し違うことができるかなと思っていました」と本作を手がけるきっかけを説明する米林監督。

そんな折、米林監督が鈴木敏夫プロデューサーから持ちかけられたのが、イギリスの児童文学『思い出のマーニー』を原作として映画を作らないかという話だった。
しかし、『思い出のマーニー』は物語全体が主人公の一人語りで展開する「心の物語」であり、アニメーションにするのは難しいと米林監督は判断。一度は映画化の話を断ったという。

「でも、鈴木さんからぜひやってくれないかと言われて、何点か絵を描きながら思いついたのが、杏奈を”絵を描く女の子”にすればどうかということ。そうすれば、杏奈が物を見ている目で、杏奈の心の中を描けるんじゃないかと思い、映画を作ろうと決意しました」

前回は「そばにいる宮崎さんを意識してしまった」といい、「今回はあくまでお客さんを意識し、作品づくりができた。良い作品が完成したと思う」と誇らしげだった。

「（アフレコで）命が吹き込まれるのを見て、作って良かったと思った。いい映画ができたんじゃないかと思います」と自信をのぞかせた。

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