2008年より日本全国で開催されてきた「スタジオジブリ・レイアウト展(吉ト力工作室場面設計手稿展・高畑勲與宮崎駿動畫的秘密)」が5月14日から、沙田の香港文化博物館(1 Man Lam Rd, Sha Tin)で開催される。同館と三鷹の森ジブリ美術館の共催。
初の海外展示となった香港では、エスカレーター階上の1階を大きく使って展示スペースが設けられ、タイトルごとにラフ画を壁に並べて展示している。展示点数は1300点以上。さまざまなシーンの基となった画を見ながらアニメ内の残像が結びつくように構成している。いくつもの工程があり、限られた時間の中で制作するアニメ現場の様子を垣間見ることができ、全体像を捉え背景など省略する部分もあれば、細部へのこだわりには余念がない様子も窺える。
例えば「千と千尋の神隠し」に登場するカエル男の服の袖に生まれるしわへの指摘やオクサレ様の雨のしぶきが自然になるように細かく指示をしたコメントなど、詳細部分への指示コメントや、登場人物の位置、場面設定や登場人物の動きなどがレイアウト画に書かれた直筆コメントなどを通して見ることができる。一部は直筆コメントの内容を多言語に翻訳して、香港会場を訪れる人が理解しやすいように展示。繁体字と英語の字幕付きの宮崎駿監督のインタビュー映像も流す。
開催時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は19時まで)。火曜休館。
入場料は、大人=20香港ドル、子ども=10香港ドル(水曜日は半額)。8月31日まで。
スタジオジブリ・レイアウト展 図録 2008年夏、東京都現代美術館で開催した「スタジオジブリ・レイアウト展」で公開された約1,300点の「レイアウト」に加え、「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」までスタジオジブリ作品の「レイアウト」を宮崎駿監督直筆のものも含め収録、また、高畑勲、宮崎駿両監督がジブリ以前に手がけた作品のレイアウトも合わせて掲載された充実の内容です。 |