先日、『ぐりとぐら』の出版50周年を記念して行なわれた、中川李枝子さんと宮崎駿監督の対談の模様が、週刊朝日の「dot.」サイトに掲載されています。
中川さんが手がけた『いやいやえん』など、一連の作品に強く影響された宮崎駿監督が、作品の色褪せない“魅力”を語り合いました。



幻の『ぐりとぐら』映画版 監督は宮崎駿?

宮崎:
実は『ぐりとぐら』の映画化を考えたことがあります。演出家を募り、コンテを出させ、おもしろそうな人間に信頼できるアニメーターをつけ、準備班まで作った。結局うまくいかなかったんですが。

中川:
短編の「たからさがし」はよくできていました。


(略)

宮崎:
『ぐりとぐら』といえば大きな卵。例えば「散歩に行ったら大きな卵があった」という話なら、普通は「誰の卵?」「お母さんは卵を探しているかもしれない」となるんです。「カステラにして食べちゃおう!」と発想するのは中川さんだけ。小さい子どもにピッタリなんです。

中川:
あら、そんなこと初めて言われました(笑)。なにせ目の前にいつもかわいい子たちがいる。その子たちを最高に良い状態にして眺めるのが保育者の醍醐味なんです。とにかくみんなを喜ばせたかった。びっくりさせるのも好き。ちょっと優越感持てるじゃない。

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『ぐりとぐら』にゴーストライターがいた? 作者が明かす創作秘話

宮崎:
『ぐりとぐら』発売の1年前、『いやいやえん』が出ましたよね。大きな衝撃でした。「子どもそのものが措かれている」と。僕より7歳若いスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも衝撃を受けています。

中川:
私、作家になるつもりはなかったんです。日本一の保母さんになって日本一の保育園をつくりたいと。ある日、たまたま新聞で岩波少年文庫の編集者だったいぬいとみこさんの記事を見て、「大好きな本を作っている人だ!」と興奮した。ファンレターを送ったらお返事をいただき、「童話のグループの集まりがあるからいらっしゃい」と。くっついていたら、石井桃子さんにもお会いできた。当時、新しい子どもの本を出版するための研究会を作っていらしたんです。で、私が同人誌に『いやいやえん』を書いたら、石井さんがおもしろいと研究会で取り上げてくださった。石井さんが編集して1962年、福音館書店から発売されました。

宮崎:
僕が『いやいやえん』に出会ったのは学生時代。一読してアニメーションにしたいと思いました。まだアニメーターになるかも決めてなかったのに。

中川:
そうなんですか!

(略)

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ぐりとぐら
著者:なかがわ りえこ
1963年に「こどものとも」誌上で発表されて以来、日本だけでなく世界各国で愛され続けるふたごの野ネズミ「ぐり」と「ぐら」のお話。

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