三鷹の森ジブリ美術館にて、5月28日に開幕した新企画展示「『未来少年コナン』展 漫画映画の魅力にせまる!」を観てきました。
待ちに待った『未来少年コナン』の企画展が始まりました。
ということで、早速ですが、初日に行ってきました。
当企画展では、宮崎駿監督の初監督作品であるテレビシリーズ『未来少年コナン』の、全26話のストーリーから、作中に登場したメカや、創作過程で描かれた設定資料、絵コンテ、イメージボード、ジオラマなどが展示されました。
なんといっても、入口からインパクト絶大で、展示のポスターにもなっているコナンが持ち上げているハナジロがお出迎えしてくれます。頭の部分だけ飛び出していて、鋭利な歯までついています。
ジブリ美術館の公式Twitterでは、宮崎駿監督がハナジロを見つめる写真が上げられていましたが、監督は立体のハナジロを見て何を思ったのでしょうか。
いよいよ、新企画展示「未来少年コナン」展、あさって28日からはじまります。
なんだか大きなモノが…! pic.twitter.com/9bUz5dvSu7— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) May 26, 2022
展示入口には、ブラウン管テレビも設置されていて、『未来少年コナン』のオープニングがリピートされていました。
その映像が、ノイズ交じりで、とても雰囲気が出ていて良かったのですが、あれは演出なのでしょうか。単純に古いテレビなので、意図せずノイズが出ているだけだったりして。1981年製のテレビでした。
未来少年コナン展の展示室から、クスクス、と笑い声が聞こえてきます。
全くコナンを知らない方へ、何度も見た方がお気に入りのギャグやセリフを伝えていると、周りで漏れ聞こえた人もつい笑えてきてしまう……そんなシーンで満載です。 pic.twitter.com/ZFhjTd7C6C— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) May 28, 2022
今回の展示で、もっとも力が入っていたのはジオラマ類じゃないでしょうか。
バラクーダ号だったり、三角塔やハイハーバーなど、作品の主要舞台が正確に再現されています。
ロボノイドは、実際に乗れそうなほど大きいです。
バラクーダ号の設定に関しては、ほんとうに細かく決められていて、宮崎駿監督はデビュー作でこれを作ったんだなと、しみじみ、静かに感服しました。
いったい、リアルタイム鑑賞をしていた人たちは、当時の宮崎駿監督をどのように見ていたのでしょうか。とてつもない才能の出現に、歓喜していたんでしょうか。
全26話のエピソードもそれぞれ紹介されていて、アニメーションの動きをピックアップしたものは、モニターで短い動画を見ることもできます。
個人的には、ここでは制作にまつわる裏話など、マニアックな情報も入れてほしかったなあ、と思いました。
ジブリ美術館で上映されている短編『たからさがし』なんかは、明らかにコナンをセルフオマージュしているので、そういった説明もあったら、『たからさがし』とコナン両方楽しめたかもしれません。
展示の最後には、原画も展示されていました。
コナンがラナをひょいっと抱え上げて、抱っこして去っていくというもの。
これは宮崎駿監督が描いたものでしょうか?
一枚の絵だけでも、ラナの重量感や、ふわっとした身体の浮かび上がる感覚が伝わってきます。
エンピツの少ない線で、なんでこれだけの躍動感が出せるんだろうと、しみじみ、静かに感動しました。
あぁ、もっと原画を観たかったなぁ。
今回の展示のコンセプトは、まだ『未来少年コナン』を知らないあなたへ、といった漫画映画の紹介でしょうか。
昨今のテレビアニメとは、まったく異なるであろう漫画映画を知ってほしい、という読み聞かせをする親心のようなものを感じます。
テレビ初放映から44年の時が流れ、来年には45周年の節目を迎えます。
半世紀が経とうとしているいま、現代の子どもたちに、『未来少年コナン』が届くことを願います。
『未来少年コナン』展 漫画映画の魅力にせまる!
期間: 2022年5月28日(土)~2023年5月(予定)