スタジオジブリでは現在、宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』を作っていることは周知されていますが、その次の企画も動き出しています。
その企画というのは、宮崎駿さんと鈴木敏夫さんの二人がプロデューサーを務めることが決まっていて、既にシナリオはできているそうです。
しかし、その企画の内容と、誰が監督を務めるのか、ということは明かされていません。
ジブリが刊行するフリーペーパーの『熱風』2021年3月号の中で、新作の監督は宮崎駿・宮崎吾朗ではない、「第三の監督」が務める、と記されています。
そして、昨年発売された書籍『スタジオジブリ全作品集』の中に、鈴木敏夫さんのインタビューが掲載されていて、その新作の監督候補を説得していると書かれています。
まだ今のところ続報がないため、誰が監督を務めるのかまったくわかりませんが、予想を立ててみました。
今回は、宮崎駿さんが珍しくプロデューサーとして参加します。
ということは、宮崎さんにとって、かなり思い入れのある企画なのではないでしょうか。
そうすると、おそくら次は、演出経験のある人を抜擢すると思います。
そして、ジブリとも縁のある人ではないでしょうか。
そこをキーワードに、予想してみました。
予想1人目
まず、この人じゃないかと思ったのは、山下明彦さんです。
山下さんといったら、ジブリ美術館でも短編作品『ちゅうずもう』の監督を担当しています。
美術館の短編作品では、宮崎監督の他に監督を務めたのは、山下さんしかいません。
そして、スタジオポノックの短編作品『透明人間』でも監督を務めています。
どちらも人気の高い作品で、ジブリ・ポノックファンの間では、山下さんの長編作品は熱望されています。
個人的には、スタジオポノックで長編を制作するのだろうと思っていたのですが、今年公開されるポノックの新作『屋根裏のラジャー』は百瀬義行監督であることが明かされています。
そうすると、山下さんは現在手が空いていて、スタジオジブリで制作することも考えられなくもないです。
予想2人目
そして、もうひとり、もしかしたらと思ったのが、安藤雅司さんです。
安藤さんは、ジブリでは『On Your Mark』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』で作画監督を務めた、天才アニメーターとして知られています。
『千と千尋』を最後にジブリを退社し、今敏監督作品や、新海誠監督作品等で活躍してきました。
2013年には『かぐや姫の物語』でジブリ作品に復帰、2014年には『思い出のマーニー』で作画監督も担当しています。
つい先日公開された、プロダクションIGの『鹿の王 ユナと約束の旅』では長編監督デビューも果たしました。
安藤さんはスタジオジブリの二期生として入社し、元々は演出家志望だったそうです。
これまで、スタジオジブリで監督を務める機会はありませんでしたが、もしかしたらここにきて、急転直下でジブリ作品の監督を務めるのではないかと。
何故そう思ったかというと、1月に金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』が放映される際に、スタジオジブリの公式Twitterで安藤さんの描き下ろしによる、イラストがアップされたことが理由です。
ここで安藤さんの絵が上がるということは、もしかしたら現在、スタジオジブリで仕事をしていると考えられなくもないです。
予想3人目
何人予想するんだって感じですけど、4人までです。
予想3人目は、庵野秀明監督です。
『シン・エヴァンゲリオン』完成後の庵野監督は、『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』と意欲的にシン・シリーズに関わっています。
そして、庵野監督といったら、『風の谷のナウシカ』の原作7巻を題材にアニメーション化したがっていることで有名です。
そういった断片的な情報を結び付けると、宮崎駿・鈴木敏夫ダブルプロデューサー体制で、スタジオジブリ作品の手描きアニメーションとして、『シン・ナウシカ』を作ると考えることもできます。否、無いとは思いますけど、希望です。
予想4人目
満を持して4人目の予想は、押井守監督です。
押井さんといったら、宮崎駿監督・鈴木敏夫プロデューサーとは旧知の仲。机を並べて散々議論してきた間柄です。
実は、1980年代に、一度だけ押井守監督作品をスタジオジブリで制作する話がありました。
『アンカー』という企画で、宮崎駿さん高畑勲さんがプロデューサーを担当し、押井さんが監督の予定でした。
ところが、信州の山小屋で喧々諤々の議論をするうちに、宮崎さんと押井さんは大喧嘩をして、企画は頓挫したそうです。
その企画が、30余年の時を経て、ここで実を結ぶかもしれません。否、無いとは思いますけど、希望です。
押井監督が作るジブリ作品を観てみたいじゃないですか……。
ちなみに、
これまでにも、ジブリ作品の次回作予想というのをしてきましたけど、ほとんど当たっていませんので、あまり真に受けないでください(笑)。
『アーヤと魔女』のときは、鈴木さんが「イギリスの児童文学で、主人公が賢い女の子」という事前情報を出していたので、その情報をもとにロアルド・ダール原作の『マチルダは小さな大天才』ではないかと予想しましたが、外しています。
さらに、『思い出のマーニー』のときも外しています。このときは、タイトルが発表される前に、マーニーのイメージボードだけ公開され、それが宮崎吾朗監督が『堀田善衛展』のときに描いた、『路上の人』のイメージボードと似ているように感じたので、次回作は『路上の人』と予想していました。
唯一当たったのが『風立ちぬ』です。このときは、宮崎駿監督が雑誌『Cut』のインタビューで、戦闘機の設計士を調べていると話していたことから、漫画『風立ちぬ』をアニメーション化するのではないかと予想していました。
ちなみに、『かぐや姫の物語』や『君たちはどう生きるか』のときは、先にタイトルが出てしまっていたので、予想する暇がなかったです。
あなたは、第三の監督は誰だと思いますか?