スタジオジブリの公式Twitterが、金曜ロードショーの『ゲド戦記』の放送に合わせて、視聴者からの質問を募集し、宮崎吾朗監督が答えるという企画が行なわれました。
先週の『ハウルの動く城』では、鈴木敏夫プロデューサーが回答していましたが、今回は監督である宮崎吾朗さんが登場です。
吾朗監督は、制作時をふり返りながら回答。キャスト起用のエピソードや、制作裏話などが語られました。
それらのツイートを一覧にまとめておきました。
私がお答えします。 pic.twitter.com/gpm02jnFqM
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) April 9, 2021
Q:岡田准一さんを声優に起用しようとしたきっかけは? 吾朗:鈴木さんに「いい男の子がいるよ」と言われ、お会いしました。れんが屋だったと思いますが、とても誠実な方で、これからなにをすべきかじっと考えているようでした。この人がアレンだと思いました。
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Q:ゲド戦記を描く上で一番難しかったところはどこですか? 吾朗:今流れている冒頭です。冒頭はいつも難しいです。あぁ、なつかしいなぁ。
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Q:テルーの唄を夜寝る前に聞くくらい大好きです。どういうことを考えて作りましたか? 吾朗:「人は孤独である」ということを伝えたくて書きました。誰といても、どこにいても孤独を感じてしまう。そんな少女
の気持ちを歌詞にこめました。— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) April 9, 2021
Q:手嶌葵さんの歌声の他に、声優に起用した理由はありますか? 吾朗:まだ何にも染まっていなかったからです。
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吾朗「このシーンの美術、いいなぁ(独り言)」
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Q:吾朗さんの個人的に一番好きなシーンはありますか? 吾朗:テルーが歌っているシーンは今も忘れられません。もうひとつは、クモ様がアレンを誘惑しているところです。えへへへへ。
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Q:ゲド戦記はどの建築物も緻密に描かれていて好きです。こだわったところは? 吾朗:冒頭のお城の中は特にこだわりました。今流れている廃墟も好きです。今はジブリパークを作っています(まだ廃墟じゃないです)。
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Q:ゲド戦記を見るにあたって、吾朗さんが考える「見方のコツ」はありますか? 吾朗:宮崎吾朗がつくったと思わないで観てください(笑)
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Q:竜を描く際に参考にしたものはありますか? 吾朗:僕も怪獣世代なんです。あはははは(ガバドンが好き)。
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Q:冒頭の父殺しを提案されたときの気持ちは? 吾朗:「え、やっていいんだ! その手があったか……じゃあ遠慮せずにやっちゃおう」
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Q:ジブリパークに「ゲド戦記」のエリアはつくらないのですか? 吾朗:開園当初から廃墟を作るわけにはいかないので……(笑)
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Q:吾朗監督が影響を受けた作品はありますか? 吾朗:押井守監督の「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」が推しです。
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Q:アレンが売りつけられそうになる「ハジア」ってどんな味ですか? 吾朗:苦いあんこのような味だと思います。
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Q:吾朗さんが「ゲド戦記」を見返したことはありましたか? 吾朗:こわくてなかなか……(涙)今日十数年ぶりに観てます。
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Q:ハイタカ役の菅原文太さんのアフレコエピソードは? 吾朗:演技に熱が入る度に服を一枚一枚脱ぎ、最後は肌着一枚で汗だくになって演じて下さったことです。お付きの方が、替えの肌着を買いに走っていました。
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Q:吾朗さんが作る建物が好きです。ジブリ美術館で一番好きな場所は? 吾朗:本館とカフェの間の隙間♡
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Q:吾朗さんが一番気に入っている台詞は? 吾朗:お前たちが僕の死か……。
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(吾朗さん、当時を思い出して身悶えてます)
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Q:美味しい食べ物を描くコツは? 吾朗:おいしそう〜食べたいな〜って思いながら描くこと!
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Q:クモ様のキャラクターを作ったときのテーマは? 吾朗:男でも女でもない、年寄でも若者でもない、あいまいなものに自分を作り変えてしまった人。
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(はぁはぁ……少しペースを落とします。皆さんゆっくりご覧ください)
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「さん」を忘れたのはスタッフの入力ミスです……風吹ジュンさんごめんなさい……。
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吾朗:鎖につながれた男の子がこんなに人気になるとは、衝撃でした……。
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え……? pic.twitter.com/ua0fMvTV94
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Q:アレンはなにに恐怖を抱いているのですか? 吾朗:自分自身です。
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Q:吾朗さんがキャラクターをデザインするときは、何度も作り直すのですか? 吾朗:そのキャラクターを理解してゆくプロセスがキャラクターデザインなので、何度も作り直します。
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Q:ゲド戦記の「音」でこだわった部分はありますか? 吾朗:冒頭の竜の音です。金属が擦れ合うような音を作ってもらいました。
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Q:ハイタカのフードや衣装にこだわった部分はありますか? 吾朗:タカの羽をモチーフにしてデザインした覚えがあります。
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Q:ハイタカがスープを飲む時のスプーンの持ち方が変だと思うのですが? 吾朗:ハイタカは山奥で育ったので、スプーンの持ち方にクセがついていて、それが大人になっても抜けないという設定でした。
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Q:吾朗さんには影はいますか? 吾朗:最近ハゲがしのびよってきているのを感じます。
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Q:ゲド戦記を色にたとえると? 吾朗:紫です。
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大変失礼しました。スタッフの打ち間違いです。保田道世さんです。沢山のご指摘、ありがとうございました。
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Q:テナーの家の周りの世界はどう作りましたか? 吾朗:誰かにもらったルーマニアの写真集に感動し、このシーンを作りました。
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Q:吾朗さんに真の名前があるとしたらなんですか? 吾朗:真の名は明かせません……。
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(ここからは、ゆっくり唄をおたのしみください)
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吾朗:このシーンは唄が先にあり、唄にあわせて描いて頂きました。
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Q:吾朗さんは今のこころを何に例えますか? 吾朗:十年落ちのポンコツ車です。
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Q:アレンに刺された王様はどうなったのですか? 吾朗:生きている……と思いたいですね。
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Q:吾朗さんに魔法が使えるとしたら何に使いますか? 吾朗:ジブリパークの図面の山を片付けます。
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Q:吾朗さんが風景を描くときに気をつけていることは? 吾朗:自分が観たかのように描くこと……でしょうか。
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Q:テルーがアレンに心を開いた理由は? 吾朗:自分の唄に涙する姿を見たからです。
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Q:制作にあたって、プレッシャーや覚悟、意気込みなどはありましたか? 吾朗:これが最初で最後の一本だと思うことで、自分を支えていました。
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Q:吾朗さんは永遠の命を手に入れたいと思いますか? 吾朗:思いません。限りがあるから一生懸命生きようと考えるのだと思います。
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Q:クモに飲まされた飲み物には何が入っていたのですか? 吾朗:濃縮ハジア(多め)です。
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Q:キャラクターの表情を豊かにするときに気をつけているところは? 吾朗:眉毛のニュアンスがいつも気になります。
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少し休憩しようか。 pic.twitter.com/OBAEzyaTZz
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Q:アフレコ時のエピソードは? 吾朗:香川照之さんが本当に全身で演技して下さったことです。その後、半沢直樹を見る度に思い出します。
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Q:「ゲド戦記」の中で吾朗さんがカッコいいと思うキャラクターは誰ですか? 吾朗:ハイタカとテナーの関係です(たがいに深い想いを寄せていながら若い頃は結ばれることがなかったふたりです)
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Q:「ゲド戦記」のタイトルロゴは誰のデザインですか? 吾朗:鈴木さんです! マッキーの太い方で書いていました。
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Q:テナーが作っていたご飯のメニューは? 吾朗:朝は麦粥。夜は肉じゃが。
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Q:黄泉の国の境とは? 吾朗:何もない荒野の中に、長い長い石垣がある……と原作にありました。僕の中では、三途の川の河原です。
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吾朗「このシーンは背景が暗く、美術監督の武重さんと一緒に、保田道世さんに何度も怒られました」
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Q:吾朗さんがゲド戦記の世界に入ったら、なんの仕事をしていますか? 吾朗:鈴木さんはハジア売りで、僕は中古の武器を売っていると思います。宮崎駿監督は魔法を作ってると思います。
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Q:竜とはなんですか? 吾朗:言葉が生まれる前より存在しているものとして描きました。より真実に近い存在です。
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吾朗「香川照之さんの台詞の半分以上はアドリブです」
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Q:キャッチコピー「見えぬものこそ」にこめた思いとは? 吾朗:見えないものこそ大事だという意味ですが、逆説的に言えば、見えるものこそ大事だよね……ということを、当時鈴木さんと一緒に話していた記憶があります。
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Q:宮崎駿監督の真の名前を知っていますか? 吾朗:知りません。知ったら灰にされます。
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吾朗「このシーンの田中裕子さんの演技はすごかった……。テルーが首を締められるシーンは、本当に首が締まった状態で収録しました」
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Q:終盤のクモ様がトラウマすぎます。どうしてこんな怖いシーンが描けるのですか? 吾朗:中身がない人にしたかったのです。中身がないということは、怖いのではないでしょうか。それをアニメーターがさらに怖くしてくれました(笑)
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Q:「ゲド戦記」が完成したときはどんな気持ちでしたか? 吾朗:本当にホッとしました……。
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最後の質問です。
Q:アレンとテルーはこのあと、再会できたのでしょうか?(質問多数)吾朗:ハイタカとテナーのように、再会できたと思います。長い旅のはてに、きっと………。— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) April 9, 2021
ありがとうございました。
『アーヤと魔女』よろしくおねがいします! pic.twitter.com/pdlYydLFPB— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) April 9, 2021
今週もお疲れさまでした。 pic.twitter.com/3RpEInvMT4
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