米林宏昌監督の『思い出のマーニー』に登場した、「マーニーの日記帳」を買ってきました。
映画に登場した日記帳を再現したもので、この類のマーニーノートっていろんなメーカーから発売されているんですけど、今回買ってきたのは、ジブリ美術館限定で発売された、美篶堂さんが製作したものです。
美篶堂さんというのは、手製本にこだわった製本所で、機械で製本するのが当たり前の現代でも、すべて手で製本しているという職人気質な製本会社です。
このノートって、『思い出のマーニー』が公開された2014年に、ジブリ美術館で発売されたんですよね。
その発売当初に買おうか迷っていて、ノートとしてはちょっと高価な3,300円という価格に、ちょっと逡巡してしまし、1回は見送ったんです。
そして、やっぱり買おうと決心して、ジブリ美術館に行った時には、もう売切れになっていました。
何度か、入荷しないものか美術館のスタッフさんにも聞いたんですけど、このノートを知らない方も多かったです。
ツバメノートや、ムービックから発売されたマーニーノートと勘違いしてる方が多くて、美術館限定の「マーニーの日記帳」の存在が知られていませんでした。たぶん、売っていた期間が短かったんでしょうね……。
オタク魂を発揮して、この日記帳の説明をしたくなりましたけど、自重しておきました。
スタッフさんよりオタクのほうが詳しいというのは、よくあることですからね……(笑)。
で、在庫切れとなってから、なかなか買う機会にめぐまれなかったんですけども、忘れた頃にネットで中古品が出てきまして、すかさず購入いたしました。価格はそれなりだったんですけど、もうなかなか出回らないものなので、まあちょっとくらい高くてもしょうがないですね。
この、「マーニーの日記帳」の素晴らしさっていうのは、すべて手で製本されていることもさることながら、職人の拘りが詰め込まれている点です。
現在では、パソコンやスマホで文章を書く機会が増えたぶん、手書きで文字を書くことから遠ざかっています。
このノートは、デジタル時代の現代に、あえて手書きで記録するという、そんな提案が込められて企画されました。
表紙は、普通のノートとは違う布張りで、手にした感触も重厚なものになっています。
現在では、あまりないですよね、布張りって。まさに、一生ものの日記帳といった感じです。
それから、ハードカバーの場合、背表紙には「角背」と「丸背」があるらしいんですけど、これは「丸背」となっています。
この丸背で、このように抵抗なく開く本は、なかなか珍しいらしく、手製本ならではの技術が用いられているようです。
さらに、見開きで平らになるように開くのが、日記帳の理想と考えているのが、美篶堂さんの拘りポイントです。
これが硬いノートだと、谷が出来てしまって書きにくくなりますからね。
この「マーニーの日記帳」は目いっぱい開くので、とても良い仕上がりです。
ちなみに、マーニーの日記帳が出来るまでの工程は、ジブリ美術館のサイトに掲載されているので、ぜひ職人の手仕事をご覧ください!