ジブリ美術館『手描き、ひらめき、おもいつき』展三鷹の森ジブリ美術館にて、11月16日よりはじまる新企画展示『「手描き、ひらめき、おもいつき」展~ジブリの森のスケッチブックから~』がメディア・関係者に向けた内覧会が行なわれました。



今回の企画展示では、2001年の企画展示『千と千尋の神隠し展』をはじめ、これまでに宮崎監督が携わった企画展につながる600点を超えるアイデアスケッチや企画書などを通して制作作業を紹介する第一室。さらに、アニメーション制作会社のスタジオジブリが美術館を作ろうと思い立った経緯や建物などへのこだわり、どのようにジブリ美術館がつくられてきたのかを紹介する第二室で構成されています。

ジブリ美術館『手描き、ひらめき、おもいつき』展

試行錯誤を繰り返した作業がある一方で、ひらめきやおもいつきにより生み出された展示物もあれば、「却下された絵なども含めて、日の目をみていないものも多数展示しています。じっくり観ていただければ」と、安西香月館長は話し、「宮崎監督からダメ出しをくらって、ものすごく直されている文章も展示しました。隠れテーマとして、お子さんたちがそういうものを見て、失敗しても、悩んでもいいんだ。成功品じゃなくても、100%じゃなくてもいいんだ、というのをちょっとでもわかってもらえたら。美術館に来て、解放されて、明日を楽しくやっていく力になれば」と、思いを語りました。

内覧会には、近藤喜文監督作品の『耳をすませば』で劇中劇の『バロンのくれた物語』の美術を担当して以来、ジブリ美術館オリジナル短編アニメーション『星をかった日』の原作や、中央ホールの壁画「上昇気流II」を描くなど、宮崎駿監督と親交のある画家の井上直久さんも来場しました。

井上さんは「宮崎監督の特徴は、面白いと思ったことは絶対やる。人が喜んでみんながびっくりするものが好き。自分のポリシーをはっきりもってらっしゃって、「そうだ!」と思いついたことをやるにはどうしたらいいかは考えるんだけれど、その後ろでちょっと困っている人たちがいるということも意識している、僕は監督のそういうところが好き。だから、映画を1本仕上げると、迷惑をかけた人たちを思って引退したくなるんだと思う」と、自分の知る宮崎監督の姿についても話しました。