『千と千尋の神隠し』の終盤で、千尋たちが乗っている海原電鉄。電鉄と銘打っているものの架線が存在しませんが、現実にも電鉄を名乗りながら気動車で運行している鉄道路線が存在したのだとか。
それはさておき、海原電鉄には判明しているだけで7つの駅がありますので、ご紹介しましょう。
表示板の「中道」
まず、この列車の行き先表示板には「中道」と書かれています。
この「中道」という言葉は仏教用語なので、釜爺に「6つ目の駅で必ずおりろ」と念を押されたのは、仏教の六道を意味していて、そこで降りなければ、別世界に行ってしまって帰ってこれないことを意味しているのかもしれません。これに関する資料は何もないので、推測するほかありません。
黒い影の正体
そして、乗客がみんな不透明な黒い影で、途中の駅にいる少女も不気味な影として登場します。これが意味するところも定かではないですが、宮崎駿監督は『千と千尋の神隠し』を企画したときから電車を登場させることを決めていたといいます。
その初期に考えていたのが、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に対するひとつの回答になるような、もう一つのドラマを作るということでした。しかし、残念ながら時間的な問題で入りきらず割愛されてしまいます。
そのため、当初考えていた電車内で描く予定だったドラマの名残りとして、黒い影の人々を描いたのではないかと思っています。
「海原電鉄」の駅
復楽時計台駅(仮)
これは正確な駅名かわかりませんが、映画冒頭に登場する時計台に「復楽」と書かれています。
時計台の内部は駅舎のようになっており、列車の走行音が聞こえることから、おそらく地下を走っているものと思われます。
油屋駅(仮)
そして、「復楽時計台」駅のとなりが、「油屋」駅ではないでしょうか。
この駅が、千尋たちが銭婆に会いに行くため電車に乗った駅ですね。
南泉駅
映画には登場していませんが、「沼原」駅の表示板に記されていた、沼原駅の一つ手前の駅です。
沼原駅
この駅で、電車に乗っていた黒い影の人々は全員降りていきました。黒い影の人々は死者ではないかと思われますが、それも決定づける資料がないのでわかりません。
ホームには黒い影の少女が立っていて、『火垂るの墓』の節子だという噂もありますが、明らかにフォルムが違うのでそれは間違いでしょう。
北沼駅
この駅も映画には登場していませんが、「沼原」駅の表示板に記されていた1つ先の駅です。
沼の底駅
そして、ここが銭婆の家がある最寄り駅です。駅名のとおり、辺りは沼地になっていて木々が島のように生えています。
中道駅
行き先表示板には「中道」と書かれているので、終着駅として存在するはずです。