鈴木敏夫プロデューサーの著書『ジブリの哲学』の編集を行った、岩波書店の井上一夫さんのインタビューが、セブンアンドショップのサイトで公開されています。
鈴木プロデューサーをして「編集の奥深さを垣間見た」と言わしめた 本書はどのようにして作られたのか? 本書の発案者の一人であり、全体の設計図とも言える 構成を担当された岩波書店の井上一夫氏に本書の成り立ちについてお話を伺いました。
――井上さんは2008年に鈴木プロデューサーが上梓された「仕事道楽-スタジオジブリの現場 -」(岩波新書)でご一緒に仕事をされてますが、今回、どのようなきっかけで再び本を出す ことになったのですか?
井上:
「また本を作りましょう」という話はずっとしていました。鈴木さ んは「仕事はいつも現在進行形。過去は振り返らない。いまやっていることがいちばん面白 い」というお考えなので、当初は書き下ろしで考えていたんです。そんなとき、鈴木さんはふ と、これまで書いたものをまとめてデータベース化しようかと思われたんですね。それで改め てすべて読み返してみた。じつは新書づくりのときに一度読んだものなので、消化したつもり になってたんですが、やはりまとまった力というか、”肉声”の強さを感じました。彼自身、プロデューサーとして仕事をする上で『最後に見せるのは画だけど、伝えるのは”言葉の力” だ』と言ってる。そのときどきの「現在進行形」の言葉だからこそ臨場感があり、迫力があるんです。