『借りぐらしのアリエッティ』放送日ということで、例によって『アリエッティ』にまつわる豆知識をまとめてみました。
といっても、まだあまり裏話が出回っていなかったりするので、珍しい情報はないかもしれません。
インタビュー記事や、ガイドブックなどを参考にしています。



設定

アリエッティの身長は、約10cm。但し、演出の効果によって、シーンごとに縮尺はバラバラになっている。

『耳をすませば』に登場した猫(ムーン)と似たような猫が登場する。
これは、米林監督が『耳をすませば』のファンだからと言われている。

登場する虫が可愛らしくデフォルメされているのは、米林監督が虫嫌いのため。

人間の声や、効果音などは、心情によって小人目線の音声になっている。

 

企画

『借りぐらしのアリエッティ』は、元々、高畑勲監督と宮崎駿監督が40年前に企画したもの。
そのときは時代に合わず、映画化されなかった。

今『床下の小人たち』を描くことについて、「小人たちの慎ましい生活や、生産者としての暮らしを描くことは、今なら意味があるのではないか」と宮崎監督は語っている。

脚本を担当した宮崎駿監督は、原作の『床下の小人たち』を読み直さず、40年前の記憶だけで書いている。

 

監督

米林監督は、一切演出の訓練をせずに『アリエッティ』を監督した。

監督の決定は、鈴木敏夫プロデューサーの思いつきとされている。
米林監督は、鈴木プロデューサーに監督を要請をされるまで、喋ったこともない間柄だった。

一番最初に監督候補にあがったのは、宮崎吾朗監督。
 

タイトル

企画の当初、タイトルは『小さなアリエッティ』だった。

「借りぐらし」という言葉を題名に入れたのは鈴木敏夫プロデューサーのアイデア。
そのことについて、「小人の世界にお金がない。材料を借りてきて物を作るしかない。それって、実は少し前の人間がやっていたことなんです。とりあえず、そこへ戻ってみようと。そんな気持ちをこの言葉に込めてみたんです」と語っている。

原作の『床下の小人たち』の原題は『THE Borrowers(借りる人たち)』なので、原題に近いタイトルとなった。

 

主題歌

主題歌のセシル・コルベルは、自ら売り込んでジブリにCDを送ったことが切欠で採用された。
曲がよかった。また僕の中で、この映画にはケルト音楽が合うというのが、どこかでありました。小人はケルトの伝説から生まれた妖精でしょう」と鈴木プロデューサーは語っている。

 

舞台

翔が暮らす屋敷のモデルは、青森県の国指定名勝「盛美園」。
社員旅行でジブリのスタッフが訪れて、映画の舞台に採用したらしい。

屋敷のモデルは青森県の「盛美園」だけれど、舞台設定は東京の小金井。
野川公園周辺と、はけの小路が舞台となっている。

 

宮崎駿監督の感想

完成披露試写を見て、宮崎駿監督が泣いた。
映画を観終わって、鈴木プロデューサーと話した第一声が「俺、泣いちゃった」。
後に、宮崎監督は、「よくやったと思いますね。ぼくが考えたことをブレることなく、自分のものとしてやれたと思います」「ジブリ生まれの演出家が誕生した」と米林監督を高く評価している。
米林監督は、「宮崎監督が褒めるなんて、どういうことなんだろう」と困惑のコメントを発表している。

 

参考書籍