故・高畑勲監督を特集する「高畑勲監督特別上映会」が、第31回東京国際映画祭で開催され、長編アニメ初監督作の『太陽の王子 ホルスの大冒険』がTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映されました。
上映後のトークショーには、高畑監督とは東映動画に同期で入社した小田部羊一さん、吉村次郎さんが出席。アニメーション製作に没頭した若き日々をふり返りました。
1968年公開の本作は、当時の東映動画の精鋭スタッフが結集しており、高畑監督をはじめ、場面設計・美術設計・原画を宮崎駿、作画監督を大塚康生が担当。原画スタッフとして参加した小田部さんは、「50年ぶりなんですよね」と噛み締め、「もう少し古ぼけて見えるのかなと思ったのですが、意外や意外。やはり高畑監督の力を感じました」と感慨深げに語りました。
一方、本作の撮影を担当した吉村さんは「50年も経つと一緒に仕事をした人たちが随分いなくなるんだな。パクさんはもちろんですが」とこぼし、「『太陽の王子』の撮影部の年齢は全員20代で、私が一番年寄りでした。ですので、やりたいことができなかった。失敗とは言わないが、『もっとできた』『もっとやりたかったな』という思いが画面のなかにたくさん出てきてね。悔しいような感じも少し覚えました」と率直な思いを明かしました。