かぐや姫の物語高畑勲監督の遺作となった『かぐや姫の物語』が、高畑監督の誕生日にあたる10月29日夜、東京で「東京国際映画祭」のプログラムの1つとして上映会されました。
西村義明プロデューサーと、高畑作品に数多く携わった百瀬義行さんが登壇し、『かぐや姫の物語』製作に関わる、当時の思い出を語りました。



『かぐや姫の物語』のプロデューサーを務めた西村さんは、開口一番「今日ね、高畑さんの誕生日なんですよ。皆さん信じられないですよね、今年亡くなったんですよね。生きていたら83歳になるんです。そういう特別な日に、こういう場に立てることは光栄です」と率直な思いを告白。ジブリ在籍時、高畑監督と仕事をすることが多かった西村さんは、「高畑勲監督は、とても恐ろしい監督であるということが、ジブリでは常識のように語られていたわけです。僕は24、5歳のときにジブリに入ったのですが、『高畑さんと話せるのは、ジブリでも一握りの人間なんだ』と。そんななか高畑さんの担当について、1本の作品『王と鳥』を一緒に宣伝することになった。それが出会いでした」と振りかえりました。

『かぐや姫の物語』でシーン設計を手がけた百瀬義行さんは「アニメの絵を描くシートに傷をつけてそれをコマ撮りしていくと、わりと自然な雨に見えた。そういう新たな表現に気を使っていた」などと今もアニメーターたちの手本になっている表現技法について触れ、「『かぐや姫』の次の作品を見てみたかった」と高畑監督の死を悼みました。

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