キネマ旬報 6月上旬特別号

「キネマ旬報 6月上旬特別号」は、高畑勲監督の追悼特集です。
巻頭から、37ページに亘って特集が組まれています。その内容も、かなり濃いものになっているので、ジブリファンの方は購入必至ですよ。簡単にですけども、内容の一部をご紹介します。個人的に一番興味深く読んだのは、西村さんのお話です。



出会ってから40年。高畑さんとは本当に不思議な関係だったと思います――鈴木敏夫

キネマ旬報 6月上旬特別号

鈴木さんが、これまで行なってきた高畑監督との仕事を、ふり返っています。既出のネタも多いですけども、初耳のエピソードなんかもあります。鈴木さんは、高畑さんから監督になることを薦められていたんですね。

永遠の「先達」のまま逝ってしまったパクさん――池田宏

高畑監督の盟友、池田宏さんによる高畑監督との思い出が語られています。
“パクさん”の愛称をつけたのは、池田さんだったんですね。

『狼少年ケン』制作時に、山口康男・藪下康司・高畑勲の三人の演出による継ぎ接ぎ作品が、「山下勲」という一人の演出家としてクレジットされたというエピソードが面白いです。

「“死”は“果核(たね)”なんだ」とパクさんは言った。――小田部羊一

キネマ旬報 6月上旬特別号

小田部さんは、高畑さんと共通していた趣味の音楽の話や、ジャック・プレヴェールの詩について話しています。

高畑勲の好奇心――西村義明

キネマ旬報 6月上旬特別号

『かぐや姫の物語』でプロデューサーを務めた西村義明さんが語る高畑勲。近年、もっとも高畑監督と密接に付き合ってきた方なので、内容も濃く面白かったです。

なんと、西村さんが立ち上げたスタジオポノックで、高畑監督の念願だった『平家物語』のアニメーション化が企画されていたことが明かされています。20分程の短編作品で、製作期間は4年を計画していたようです。実現されず、ほんとうに残念。

高畑作品で修業したからこそ、『ガンダム』にたどり着けた――富野由悠季

富野由悠季監督は、自身が携わった『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』の仕事をふり返っており、高畑勲監督から受けた影響について語っています。
この3作から、『ガンダム』に行きつく流れが興味深いです。

「キネマ旬報の6月上旬号」巻頭特集

「追悼 映画監督・高畑勲」
『太陽の王子 ホルスの大冒険』から『かぐや姫の物語』まで

監督作品グラビア:増當竜也
インタビュー 鈴木敏夫:金澤誠
寄稿 池田宏
インタビュー 小田部羊一:叶精二
インタビュー 西村義明:岡﨑優子
インタビュー マルセル・ジャン:魚住桜子
インタビュー 富野由悠季:野口智弘
インタビュー 安彦良和:石井誠
寄稿 片渕須直
寄稿 大林宣彦
寄稿 岩井俊二
作家論 叶精二

キネマ旬報 2018年6月上旬特別号(追悼・高畑勲) No.1780
発売日:2018年5月19日(土)
価格:1080円(税込)

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