『熱風』3月号は「人工知能」特集として、グーグルアースの開発者で、現在イングレスを開発しているジョン・ハンケさんと、川上量生さん、鈴木敏夫さんの対談が掲載されています。
また、先日行われた、宮崎駿監督の講演会「全生園で出会ったこと」で語られた、完全版が掲載されています。
特別インタビュー ジョン・ハンケ氏
「顔を上げて、目を開いて、新しい自分の周りの世界に目を向けることができるようなものを作りたかった」
鈴木:
自然環境に対する深い関心がおありになるんですね。
ハンケ:
「ポニョ」のおかげでとても興味を持つことになりました。この映画のインスピレーションの元になったものはなんですか。
鈴木:
一つはフランスのとある小説です。『海の赤ちゃん』という物語があるんですが、これを宮崎駿が若いころに読んで、印象に残っていた。海から赤ん坊がやってくる、この着想はそこから得ました。
(略)
鈴木:
吾朗君は今度またシリーズを作るんですけど、彼はなんと、東南アジアで作ります。そうやって世界がどんどん変化していく。面白いなと思います。
一方で、宮崎駿は74歳にして、新作の短編でコンピュータグラフィックスにチャレンジしています。これを覚えれば、死ぬまで作れると言っています。作りたくてしょうがないんですよ(笑)。
鈴木さんにも分かる人工知能の未来
鈴木:
分かりやすく言うと、2050年、人工知能は人間の知能を超えるって本当ですか。もっと分かりやすいように言えば、自動運転って、本当にもうすぐ始まるんですか?
川上:
僕はテスラに乗っているので、最近のバージョンアップで使えるようになった自動運転機能を試しているんですが、高速道路だともう問題ないですね。とはいっても僕はまだ自動運転中はなにか事故が起きないか自分で運転する以上に緊張しています。ところが妻が運転すると、すぐに機械にまかせっきりになってしまい、話に夢中になったらよそ見を始めたりします。
宮崎駿講演「全生園で出会ったこと」
宮崎:
いまでも全生園の前を通るときや散歩するときには、納骨堂に拝んで挨拶をしていきます。でもそのうちに、文京区のほうにある自分の両親の墓に行くのが面倒くさくなり、どうせあの世に通じているんだからと思い、その納骨堂で両親に挨拶するようになりました。
(略)
またこの歳になりますと、次々と友人たちが鬼籍に入りますので、その連中には、拝むというより、悪いが、俺はもうちょっと生きるぞ、なんて憎まれ口をきいています。最初に入ったアニメーションの職場に美少女がいまして、彼女のこともそこで思い出すというふうにしていたら、あるとき後ろで見ていた方に、「ずいぶん長く、ていねいに拝んでいらっしゃいますね」と言われたことがありました。じつはいろいろ思い出す作業が大変なのです。このごろは子供のときに飼っていた犬と、それから息子が飼っていた犬もついでに拝むという、そういうことで長く頭を下げているようなことになっていて、なんてたくさんの人々やいきものの世話になってきたのだろうと思っています。