スタジオジブリが出版する機関誌『熱風』の5月号が発行されました。
今月号の特集は「沖縄」。基地問題について、「琉球新報」の富田詢一社長が言及。館野仁美さんの連載「エンピツ戦記」は6回目となり、若手アニメーターを育成した話を中心に綴られています。
また、奥田誠治さんの連載「もうひとつのジブリ史」では、高畑勲監督のフランス文化勲章受章から『おもひでぽろぽろ』の制作にまつわる話まで。
スティーブン・アルパートさんの「吾が輩はガイジンである。」は、連載12回目にして最終回を迎えました。いずれ書籍化されるのでしょうか。
また、ひそかに、今号で連載が終了した作品があります。それは、表紙を飾っていた、加藤秀之さんによる装丁画。2014年4月号から、2015年5月号まで、12枚の表紙イラストが掲載されてきましたが、今号で終了とのことです。
独特なイラストで気になっていたのですが、改めて最初の登場から、これまでの表紙を追っていくと、物語仕立てになっていることがわかります。
この表紙絵に描かれた毛糸のキャラクターは、「ヌクヌク」というそうです。
「ヌクヌク」の冒険を、ちょっと振り返ってみましょう。
ヌクヌクの冒険
仲間に見送られながら、旅に出たようです。
旅の途中、お花畑に立ち寄ったのでしょうか。
オーバーオールの芋虫や、デニムの木の幹、マチバリのお花など、よく見るといろいろな発見があります。
6月号では、梅雨の季節となって、チャックの大雨が降りました。
道には、がま口サイフのカエルに、編みぐるみのようなカタツムリがいます。
7月・8月号は、ジブリの宣伝用の表紙となって、9月号からまた加藤さんの表紙イラストです。
旅の途中で一休みするヌクヌクの図でしょうか。満天の星空に、大きな満月です。星はビーズで、月はボタンですね。
ヌクヌクが木に登ろうとしています。隣には、ザックのワンちゃん。木の上には、毛糸のネコがいますね。
帽子のキノコもたくさん生えています。先月号から、ハチもついてきたようです。
今度は、羊たちがたくさんいます。彩り豊かですね。
モジャモジャした羊飼いは、遊牧民のポカポカというようです。
ポカポカと仲良しになったヌクヌクは、ワイシャツの馬と出会ったようです。
馬はくたびれているのでしょうか。ヌクヌクがアイロンをかけています。
馬にまたがり、ヌクヌクは旅を続けます。
冷たい風が吹きつけていますね。
おや、どこに着いたんでしょう。毛糸の森のようです。
木々は倒され、荒れています。ボタンも落っこちていますね。
誰かが大暴れしたようです。
いよいよ、何か現れました。怪獣でしょうか。
馬に乗ったヌクヌクは、「さあ、こい」とばかりに身構えています。
これは、戦っているのでしょうか。ヌクヌクが怪獣の靴を縫っています。
どうやら、怪獣は痛手を負っているようです。股もほつれていますね。
ヌクヌクは怪獣の傷を直してあげて、仲良しになったみたいです。
周りには、旅を見送ってくれた仲間たちと、遊牧民に羊たち、みんないます。
旅は、平和に終わりを迎えたようです。仲間もたくさん増えました。
めでたし、めでたし。