Webマガジンの「cakes」サイトに、『夢と狂気の王国』を監督した砂田麻美さんのインタビューが掲載されています。
砂田監督がスタジオジブリでカメラを回した時間は350時間以上あり、そのすべての宮崎駿監督の言葉を文字起こししていたことが語られています。
そこまでしてあるなら、是非一冊にまとめて出版してほしいですね。



言葉でつなごうとすると映画は破たんする

――最初作品の企画をスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに出したときには、なかなかOKが出なかったそうですね。最終的にテレビやDVDではなく「映画を撮りたい」という点が決め手になったと聞きました。砂田さんは、テレビやDVDのドキュメンタリーと、ドキュメンタリー映画の違いをどのように考えているんでしょう?

砂田:
それはすごく難しい問題で、ひと言でこういうふうに違うっていうのは、私も言えないんですけど……。ただ、大事なのは、「情報」をどうとらえるかだと思うんです。
たとえば、スタジオジブリのドキュメンタリーって、すでに秀逸なものがたくさんつくられていますが、それらの大半は、主に言葉をつないで構成されています。登場人物のキーとなる発言や説明となるナレーションで事実関係でつないでいったりするものが多いですよね。

――映画の場合は違うんですか?

砂田:
私はドキュメンタリーをつくるとき、最初にすべての言葉を文字に起こすんですけど、それは情報の一部でしかない。映画って、言葉だけでつなげようとすると破綻するんですよ。もちろん、言葉も大事なんですが、「映画のなかにある情報」って、それだけじゃないと思うんです。言葉だけを聞いていると情報が少ないように見えるかもしれないけれど、その言葉の後ろには色だったり、音だったり、複合的にさまざまな要素がかけ合わされています。あの2時間っていう暗闇のなかで濃縮される映像には、見えない情報がとてもたくさん隠れている。

――映像を文字に起こすってことは、最初は言葉で考えるんですね。

砂田:
『エンディングノート』のときは、ほとんどが無駄な会話だったので、大事なところをピックアップするのにそこまで迷わなかったんです。でも、『夢と狂気の王国』では、1年間ジブリに通って撮影した素材が350時間以上もありました。それを専属のスタッフが、ひたすら朝から晩まで文字に起こして、ファイリングして。私はまず読むところから始めるんですが、文字で読んでいると本当におもしろいんですよ。もう、すべてのシーンが。
宮崎駿監督は、一度でそのまま一冊の本ができるくらいいろんな話をしてくださるし、今回、出てくる人たちの話のレベルが異常に高い状態だったので。もう何を選んでいいかわからないっていうくらい。


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