三鷹の森ジブリ美術館にて、『君たちはどう生きるか』展の背景美術編 後期が始まりました。
ということで、開幕日となる5月21日に早速行ってきました。
映画『君たちはどう生きるか』が公開された2023年より始まった本企画展も、いよいよ最終章です。
第一部は「イメージボード編」からスタートし、第二部は「レイアウト編」、そしてラストの第三部は「背景美術編」となっています。
前期は昨年11月から始まり、このたび後期が始まりました。
展示物は一部入れ替えと告知されていて、どの程度新しくなるのかわからなかったのですが、約半数が入れ替わっていました。
所感では、三分の一は新しくなっているかなと感じたんですが、一通り見た後にスタッフさんに尋ねたら、半分くらいが新しいとのことで、どれが入れ替わったものか教えてもらえました。
それから、前期より展示されていたもので、個人的に印象深いと思っていた絵は残されています。
眞人の放った矢が勢いよく飛んでいく背景画や、高屋法子さんが手掛けたハーモニーは、そのままでした。
特に説明もなく展示されているので、なかなかハーモニーの凄さが伝わりにくいと思うのですが、セル画にすべて裏から着彩をして、背景美術の画風で描画されています。つまり、ハイライトや影を後から足したりすることなく描かれています。
これ、めちゃくちゃ凄い技術だと思うのですが、その凄さが伝わらずに通り過ぎてしまう人が多いような……。
しかも、このハーモニーは原版が展示されているので、とても貴重なものです。ぜひぜひ、注目してご覧ください。
そして、展示作品とは別に心に残ったものがあります。
それは、本展の監修を務めた宮崎吾朗監督のあいさつ文。通常ですと、展示にまつわるエピソードがあるところ、今回は生成AIについてのお話でした。
ここ最近、生成AIの急激な技術向上によって世間を騒がせていて、スタジオジブリはどう思っているんだろうと気になっていましたが、これまでコメントは一切発表していませんでした。
今回の吾朗監督のコメントも、ジブリとしてのスタンスを表明したものではありませんが、生成AIの技術向上に伴う危機感というものを感じるものでした。多くの人間が、その技術との付き合い方に迷っている状態で、それはジブリとしても同じようです。少し考えさせられながら、展示を後にしました。
カフェ麦わらぼうしでは、今回から新メニュー「晩白柚(ばんぺいゆ)とクリームチーズのひんやりブッセ」が追加されたので食べてきました。うまし糧。
晩白柚とはなんぞや? 思ったのですが、柑橘類の一つらしく、甘みと酸味の合間った爽やかな味がしました。夏場に合った一品でございます。
背景美術編 後期は11月3日までの開催です。