もう、とっくに既出でしょうか。イオンシネマのジブリの壁画に現われた、謎の少女は、堀田善衞原作の『路上の人』の登場人物と思われます。
壁画のイラストは、おそらく米林宏昌監督が描かれたもの。
2014年公開作品として、今年の年末あたりに告知されるんじゃないかと予想しています。



以前、「堀田善衞展 スタジオジブリが描く乱世。」という展示で、堀田善衞作品のアニメーション映画化を試みるという企画で、宮崎吾朗監督がイメージボードを描いたことがあります。

『路上の人』は13世紀前半のヨーロッパを舞台に、主人公ヨナ・デ・ロッタの浮浪の旅を描いています。ヨナは騎士や僧侶、旅芸人などの供をして生計をたてながら、国家が成立する以前のヨーロッパ中を旅します。その旅の途上でヨナは数々の出来事を目撃していきます。貧困、盗賊、教会権力の絶対性、破戒的な僧侶、無垢な信仰心、異端、十字軍の残虐……。それらを上目遣いに見ながらヨナは考えます。なぜだ?と。路上から現実を直視し続けたヨナは、まさしく堀田善衞の生き方そのものです。信仰とは何か、生きるとは何かを問うた『路上の人』。

路上の人
著者:堀田善衞
時は13世紀前半。語り手ヨナが、下層から観察した中世の支配層の群像、考え方や行動、事件を描く。篠田一士との対談も収録。

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