魔女の宅急便本日、5月13日はスタジオジブリで活躍したアニメーター・二木真希子さんの命日です。2016年に58歳の若さで亡くなりました。
二木さんは、劇場版『じゃリン子チエ』で高畑勲作品に、『風の谷のナウシカ』で宮崎駿作品に参加して以来、スタジオジブリのアニメーターとして『思い出のマーニー』まで、多くのジブリ作品に携わりました。



二木さんは、動物や植物を描くのが得意なアニメーターとして知られており、「ジブリの動物神」という呼び名もありました。

二木さんの描く動植物は生命感にあふれていて、宮崎駿監督からの信頼も厚いものがあります。
1989年に刊行された二木さんが描いた絵本『世界の真ん中の木』には、宮崎監督からのコメントが寄せられていて、二木さんの仕事ぶりについて語られています。その一部を今回ご紹介します。

二木さんのこと

二木真希子さん、私たちのアニメーションスタッフの重要な一員です。
『風の谷のナウシカ』では、酸の湖の砂洲のシーンで、傷ついたナウシカと王蟲の仔の出会いを、まるで二木さん自身がその痛みを分けあうかのように描いてくれました。

(中略)

二木さんは不思議な人で、よく傷ついた小鳥や親とはぐれたヒナを拾います。そのたびに仕事を放り出して、生かそうと努力し、多くの場合は報われぬ結末を迎えるのですが、そのときの痛みが『ナウシカ』での王蟲の仔の表現を、視覚から触覚までつきつめさせているようです。ナウシカの身体に触れる王蟲の仔の硬い甲皮の肌ざわりや、伝わってくる体温まで実感できる人なのでしょう。視覚だけでなく、触覚を表現しようとするのが、二木さんのアニメーションの特長だと思います。人間以外の生きものに強い関心とするどい観察力を示す彼女の感受性のアンバランスは、長所とも短所ともいえるのですが、私たちの映画では貴重な存在に彼女をしていることは間違いありません。

二木さんは『風の谷のナウシカ』から『思い出のマーニー』まで、ほとんどのジブリ作品に携わり、誰もが記憶に残るような印象深いシーンばかり描いてきました。スタジオジブリが世界中からこれだけ高い評価を受けるその一端に、二木さんの存在があったのは疑う余地もありません。

宮崎監督は、二木さんに絶大な信頼を寄せていて、『魔女の宅急便』において冒頭の風の丘のシーンを描いてもらう際には、演出としての要望は一言もなく、ただ「よろしく」というだけだったと言います。信頼の大きさが窺えますね。

二木真希子さんが手掛けたジブリの名シーン

ガイドブック等の書籍情報と、叶精二さんのツイートを参考に掲載しています。

『風の谷のナウシカ』
・ナウシカの幼少期の回想
・酸の湖の砂洲でナウシカが王蟲を止めようとするシーン

『天空の城ラピュタ』
・屋上でパズーとシータが出会い、鳩に餌をやるシータ
・宮殿内でフラミンゴの飛んでいくカット

『となりのトトロ』
・おたまじゃくしを見つめるメイ
・メイとトトロが出会うシーン
・トトロのドンドコ踊りと発芽し、樹木が天高く伸びていくシーン
・トウモロコシをもいでキュウリを食べるカット

『魔女の宅急便』
・冒頭の風の丘で草むらにいるキキ、走って帰宅するまで
・雁の群に遭遇し、コクマルガラスの巣に落っこちて発つまで
・最後のマイクを向けられるキキ

『おもひでぽろぽろ』
・紅花摘みのシーン
・タエ子が牛乳を飲むシーン
・雨の中の、紅花摘み 合羽を着たタエ子が額を拭うカットまで
・トマトの前で「どうしてあたしだけ」と言うカット

『もののけ姫』
・デイダラボッチのシシ神の初登場
・アシタカをシシ神の池に運ぶサンとヤックル
・シシ神の森の池全景
・シシ神が歩き、足下の草花が咲いては枯れてと繰り返すカット

千と千尋の神隠し
・釜爺が目を覚まし、千尋に毛布をかけるシーン
・紙の人形に襲われる白龍を目撃する千尋
・一時上昇する白龍〜うねり乍らボイラー室へ

『崖の上のポニョ』
・ポニョが初めて喋るシーン
・波(水魚)の上を走るポニョ

『風立ちぬ』原画
・ボートのカプローニが、Ca-60巨体の離水するのを見守り、飛行艇が崩壊するまで
・カプローニが「風は吹いているか」と問うカット
・カプローニが「その前によってかないか。イイワインがあるんだ」と言い、雲が流れるラストカットまで

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