マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 鈴木敏夫スタジオジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」にて公式上映され、舞台挨拶でマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は「メルシーボクー」とフランス語で挨拶。また当初挨拶の予定がなかった鈴木さんは、英語で「私はフランス語も英語も話せませんが、日本語でメルシーボクーは“ありがとう”です」と語りかけて喝采を浴びました。



上映終了後に行われた囲み取材では、マイケル監督は「本当に感謝の気持ちでいっぱいです。細かな部分も、鈴木さん高畑さんと話しました。スタジオジブリのアニメーション制作の豊かな経験から生まれるさまざまなアイデアは、とても素晴らしいものでした」と感謝を述べました。

鈴木敏夫プロデューサーは「スタンディングオベーションを受けて、本当にカンヌに来てよかった。10年かかっているので喜びもひとしおです。高畑さんも来てくれたら喜んだと思います。ジブリ作品は5月前に完成したことがなかったので、今回初めてカンヌ映画祭に来られて光栄です」とそれぞれ心境を語りました。

また、本作は80分の長編作品としては珍しくセリフがありません。そのことについて、マイケル監督は「本来は会話があったのです。この作品は、明瞭さが必要だと思ったのです。何か映画に溶け込んでいないように感じたので、脚本家の助けを借り、会話を最大限まで増やしたのです」と語ります。

一方、鈴木プロデューサーは「ぼくは、個人的にセリフ全部ない方がいいと思っているんですよ。(セリフがない方が)観ている人に緊張を与えるんですよね。だから、緊張がセリフがあることによって壊れちゃう。それをね、やめた方がいいんじゃないかなと、ぼくは考えました」とセリフを付けなかった理由を述べました。