特定秘密保護法の成立に不安を抱き、勉強会を開いている東京都足立区の母親グループが、映画監督の高畑勲さんを招いて座談会を開いた。高畑監督は「物事をより現実的に考える女性の感覚は大切。活動を楽しく広げていってほしい」とエールを送った。



区内の「秘密保護法を考える女子会@足立」が主催し、保育園の待機児童や原発、放射能の問題に取り組む女性ら約三十人が参加。高畑監督は昨年十二月、呼び掛け人の一人となって「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」を結成している。

福島第一原発事故の後、高畑監督は「日本政府の体質は(戦前と)変わっていない」と強く感じたという。「法律がすぐに生活を変えることにはつながらないが、いったん戦争に突入したら、物事を柔軟に対処できないと思った方がいい」と話した。

さらに、昨年の法案成立を振り返り「あれだけ反対した人が多かったのに成立した。運動の輪を広げるにはどうしたらいいか」と問題提起。母親たちからは「勇気を出して声を上げ、仲間とつながることが大切」「子どもの将来に関係する身近な問題として、おしゃれな感じで伝えたい」などの意見が相次いだ。