『夢と狂気の王国』公開記念トークイベント 石井朋彦×齋藤優一郎×川上量生が語る今後のアニメ

昨日、新宿バルト9で開催された『夢と狂気の王国』公開記念イベントで行なわれた、トークイベントの模様を文字起こししました。
三者対談として、プロダクションI・Gの石井朋彦プロデューサー、スタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサー、川上量生プロデューサーと、三名のプロデューサーが集まり『夢と狂気の王国』の感想から、今後のアニメーションについて、高畑勲伝説などを語りました。



夢と狂気を孕んだスタジオジブリ

川上:
なんか、緊張しますね。

齋藤:
昨日から、ずっと緊張していて。
石井プロデューサーみたいに、出たがりプロデューサーじゃないんで。

石井:
全然そんなことないですよ。

川上:
『夢と狂気の王国』ご覧になって、いかがでしたでしょう?

石井:
すごく面白いドキュメンタリで。ぼくは前に『となりの山田くん』『千と千尋』から、『ゲド戦記』ぐらいまで、ずっとジブリに在籍してきたもんですから、もうほんとにジブリが設立したころから、今日に至るまで、ほぼすべてジブリのドキュメンタリ番組は見てるんですよね。その特番の担当をしてたもんですから。
その、どのドキュメンタリとも違ってですね、「こんなドキュメンタリ始めて見たな」っていうのが、ぼくの最初の感想です。

川上:
ぼくは鈴木さんに弟子入りしたんですけども、その前にずっと弟子入りされていて。

石井:
名刺の肩書きが「鈴木敏夫アシスタント」って書いてあって。
川上さんのまえに、アシスタントやらせていただいてました。

川上:
ぼくは、なんちゃってカバン持ちだったんですけど、石井さんはちゃんと本当にお仕事されていた。

石井:
お手伝いさせていただいてました。
で、とにかくですね、すごい綺麗なドキュメンタリなんですよ。
初めてジブリに来た人が、「なんで、こんな理想的な環境で、こんなキラキラしたところで、こんな素敵な宮崎駿監督と、ここでお仕事できるんだ」というね、初めてジブリに来たときのお客さんが抱く印象っていうのが、画面とフィルムに現われていて。

川上:
映像は綺麗ですよね。それはビックリしました。

石井:
あんまり綺麗過ぎるんで、ちょっとこれ、このままでほんとうに良いのかなと思いながら。
内情を知ってる身としては、見始めるわけですよ。

川上:
ほんとうのスタジオジブリは、こんなに綺麗じゃないと?(笑)

石井:
夢の部分がいっぱい描かれているドキュメンタリなんですけど。
だんだん、その夢の中にですね、狂気がじわじわじわじわと見えてくるっていうのが、このドキュメンタリの恐ろしいところで。
これからご覧になる方がいるので、ネタバレはしないですけど、是非ご覧いただきたいポイントがふたつあってですね。
この作品には、宮崎駿監督と、あと声優をやった庵野秀明監督とは別に、ふたりの監督が登場するんですよね。
ひとりが、宮崎吾朗監督ですよね。で、もうひとりが高畑勲監督なんですけど、このふたりの登場の仕方がですね、まあ凄まじく面白い。
それまで、夢と狂気で、夢の部分だったドキュメンタリが、一気に狂気に変わっていくという。

齋藤:
一番の見所ですよね。

石井:
そこを見るだけでも、このドキュメンタリを見る価値があるんじゃないかな。そう僕は思いました。

齋藤:
ぼくは、お二方とは違ってですね、スタジオジブリさんとまったく関係がないというか。スタジオジブリに入社したこともないし、鈴木さんのとこ行けば、だいたいいつも怒られるし。そういうような感じがあるんですけど。
でも、やっぱり、ぼくがアニメーション映画の世界に入った切欠っていうのが、高畑監督、宮崎監督の作品群であったりとか。ちょうど、高校生のときに、鈴木さんの話をいろんなとこに聞きに行ったりとか、本なんか読んだりして、青春時代にパッションな刺激をですね、鈴木さんから受けたみたいなことがあって。
で、この世界に入ってきたという、そういう意味で言うと、間接的ですけど、ジブリと関係が持てて良かったなという部分と、あとは細田監督作品を作っていくなかで、たくさんジブリのスタッフの方たちに、いつも一緒に手伝ってもらったりしてるので。

川上:
細田さんも、一時期ジブリにいらっしゃったんですよね。

齋藤:
あのとき、ぼくは当然いなかったんですけどね。
石井くんがそのときは。

石井:
ぼく、そのとき担当だったんですよね。

川上:
あ、そうなんですか。

石井:
もう、ニコ生では言えない狂気の現場が。

川上:
まあ、2ちゃんねるには書いてあるようなことですよね(笑)。

齋藤:
まあでもね、映画作りって、だいたい夢と狂気が両方あって、恍惚と不安が両方あって作られるみたいな感じだから。

 

野次馬を楽しむ鈴木敏夫

川上:
今回の映画って、関係者の人と、そうじゃない人の間でけっこう見方が違うんですよね。

石井:
ああ、そうでしょうね。

川上:
ぼくらは、スタジオジブリの中にいるので、ほんとつまらないところに反応したりするんですけど。
普通の人が見たのと、だいぶ見方が違うので、お客さんがどんな見方をするのか。

齋藤:
それは興味ありますね。

石井:
鈴木プロデューサー流石だなと思ったのはね、まず川上さんをプロデューサーに抜擢したじゃないですか。
この時点で、「このドキュメンタリは、おれは関係ないぞ」という宣言なわけですよ。

川上:
そうなんですよ。

石井:
さらに、コピーが「ジブリにしのび込んだマミちゃんの大冒険」でしょ。
あくまでも、マミちゃんの大冒険なんだから、おれは関係ねえぞ、っていうことなんですよ。

川上:
責任回避なんですよね。

石井:
宮崎さんって凄い人で、カメラが回るとほんとうにお客さんが見たいこと、してほしいことを次から次へと繰り出してくれるわけですよ。どんな監督さんも、どんどんそれに巻き込まれていって、どんどん宮崎さんが作っていく世界にね、引きこまれて行ってしまうって感じだから。
これは、ドキュメンタリという感じよりは、もうひとつの宮崎駿監督映画みたいな。そういう感じがしますよね。
だから、関係者はこんなに美しく描いて良いんだろうか、と思う人もいるかもしれませんね。

川上:
そうですよね。それと、見方って、関係者の人とかって、「絶対、これは違う」とかそういう感じる側が高いと思うんですよね、人によって。特に、宮崎さんにしても、高畑さんにしても、非常にそういうあたりは強烈にお持ちな方なので。
まあ、素直に気に入られることっていうのは、100%ないわけで。
で、そういうところで、ぼくがプロデューサーにさせられたのかなっていうことを、作ってる最中に気づきました。

石井:
すごく歴史的に貴重なドキュメンタリですよね。
撮られる被写体の鈴木さんがね、明らかに責任を川上さんにポイっと置いてね、横でニヤニヤ笑いながら見ている感じが、すごく面白いですよね。

川上:
ほんとう大変だったんですよね。いろいろ撮影する最中でね。撮らしてもらえなかったりだとか。

齋藤:
でも、逆に言うと、鈴木さんだったら自分でそれを撮るわけにはいかないし。自分で、プロデューサーやるわけにはいかないですよね。
だから、やっぱり川上さんがやる必然性というか。じゃないと、今のジブリであったり、歴史をどう振り返るみたいなことを含めて、砂田監督も含めてね、ジブリ以外の人たち、すごく興味も持ってる人たちが撮らないと、冷静なドキュメンタリ映画って出来ないんじゃないかなって思いますけどね。

川上:
鈴木さんはね、単純に見たかったんだと思いますよ。単純に、自分が関わらないとこで作ったものを見たかったんだと思うんですね。第三者の砂田さんが撮ったジブリが、どう映るものなのか関心があったんだと思うんですよね。
それで、距離を置いておきたかったんだと思いますけど。鈴木さんは、そういうとこありますよね。

石井:
そうですね。突然、ポイって責任を人に預ける。それによるトラブルを含めて楽しむ人ですよね。

川上:
例えば、『風立ちぬ』なんかにしても、なにか作ってる宮崎さんの作品にしても、プロデューサーっていろんなプロデューサーいると思うんですけど。「こういう作品にしてほしい」じゃなくて、どんな作品が出来るんだろう、っていうのを楽しみにしてますよね。

石井:
そうですね。編集者的な視点なのかな。逆算的な視点で見てることがありますよね。

川上:
編集者っていうか、野次馬っていうか。

齋藤:
そういうこと大事ですよね。

 

学者・高畑勲が作った本当の『かぐや姫』

川上:
『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』これはご覧になってどうでした?

齋藤:
『風立ちぬ』は試写に限らず、2回ほど自分で観に行きました。それぐらい、いろんな意味で突きつけられたっていうか。
映画なんで、いろんな見方があると思うんだけども、とってもピュアで、すごく力強くて、そしてとっても清々しいっていうね。映画の中でも語られてたりしますけど、宮崎監督は72歳でね、ああいう映画をお作りになって。鈴木さんが65歳ですか?
そういう、ある種の年齢とかキャリアになって、「こういう映画作れるんだ」みたいなこと。ほんとうに為うることなき力を尽くして、今自分はどう生きてるのかということを突きつけられたみたいな感じが、『風立ちぬ』に関してはありましたね。

川上:
年齢的な安心感というのを、ぼくすごく思って。65歳と、72歳と、78歳ですよね。そすると、自分の年齢から考えると、あと20年くらいはやれるんだっていう、そういう勇気は貰える。

石井:
『かぐや姫』はね、公開前なんであんまり……まあ、でも『かぐや姫』というみんなが普通に知ってる作品を原作にしてるから、たぶん良いと思うんですけど。
ぼくは、2時間17分まばたきするのも惜しいくらい、口をあんぐり開けたまま、ただただ観続けましたね。

川上:
短かったですね。

石井:
短かったです。ほんとに一瞬に感じたんですよね。

齋藤:
もっと観たかったですよね。

石井:
すごいのは、高畑勲という演出家の、世界一の演出家の手練手管に、ただただ感動なんですけど。
やっぱり、一番大きいのは、描いた絵の凄まじさ。手で描いた絵が、目の前で動くだけで、これだけ人間って脳味噌から快感物質が出るんだって。

川上:
長いじゃないですか、2時間17分って。

石井:
映画としては長いですよね。

川上:
だから、すごいダラダラしてるのかなって思ったんですよね。
いろんな要素を詰め込んで、ダラダラしてるのかなと思ったら、そんなことはなくって、ほんとに必要なものしか入ってないですよね。

石井:
元々は、3時間以上あったんですよね。

齋藤:
脚本の初期段階はもっとあったって聞いてて。むしろ、それ全部やってほしかったみたいな。

川上:
『山田くん』のときも、最初のシナリオのときは、8時間あったっていう話で。

石井:
そうですよね。鈴木さんと高畑さんが、会議室で怒鳴り合いをしてるのを、ぼくら見てましたけどね(笑)。

齋藤:
そういうのは往々にしてありますよね(笑)。

石井:
『かぐや姫』は、ほんとうに短く感じましたね。無駄なところが一つもないし。

齋藤:
題材もそうだと思うんですけど、誰もが知ってるはずの『かぐや姫』をほんとに堂々とやってるっていうね。その堂々っていうところが、なかなかできないと思うんですよね。当然、絵の部分とか、音楽もそうだし主題歌もそうだし、語りつくせないくらいあるんだけど、そういうことを一つの言葉でまとめると、堂々とした映画だと思いました。

川上:
そうなんですよね。ぼくもいろんな人に『かぐや姫の物語』は、ほんとうに凄いって絶賛するんですよね。で、絶賛すると、みんなから「どんな話なの?」ってきかれるんですけど、そしたら「竹から生まれた女の子が、月に帰る話」って(笑)。

齋藤:
「あぁ~」って話だよね(笑)。

石井:
今回、高畑さんって凄いなと思ったのは、なんでいろんな星がいっぱいある中でね、月から地球を選んだのか、っていうところから物語を始めていって。で、展開する物語は、基本的には原作どおりなんだけど、その一シーン、一シーンに高畑さんの言いたいことがあって。で、最後、ほにゃららになるじゃないですか。

川上:
そこが凄いんですよね。

石井:
そこを含めて、高畑さんの『かぐや姫』なんですよね。

齋藤:
今まで古典も読んでて、なんとなく知ってるじゃないですか。知ってるけど、改めて『かぐや姫』ってこういう話だったんだっていうことを、原作と対比がどうこうじゃなくて、「きっと、こういうことだったんだ、『かぐや姫』って」っていうふうに思えるっていうね。

川上:
高畑版の、高畑解釈の『かぐや姫』って感じでもないんですよ。
高畑さんが学者として、「本当の『かぐや姫』はこうだったんだ」っていうのを解明したって感じなんですよね。
だから、『かぐや姫』を無理に変えたっていうふうに見えないんですよ。

齋藤:
むしろ、最初からこうだったんだろうって思いましたよ。

川上:
そう。こっちがほんとうの話だろうっていうね。

齋藤:
それぐらい、『かぐや姫』のモチーフもそうだけど、そこに息づいてるかぐや姫って女性もそうだし、その周りを取り巻く、きらきらとした人たちであったりとか、自然描写なんかが一本の古典としての『かぐや姫』っていうストーリーと、人生の話っていうふうにちゃんとなってるっていうね。いや、素晴らしいと思いましたね。

石井:
かぐや姫、かわいいですよね。

川上:
そうなんですよ。観てるとかわいくなってくるんですよね。

石井:
ほんと、ドキドキするぐらい美少女で。ナウシカのような、シータのようなね。
なかなか宣伝の絵柄だと伝わらないかもしれないけど、ほんとにかわいい恋しちゃうようなキャラクターですね。

齋藤:
魅力溢れてますよね。ほんと、子供時代のかぐや姫が愛らしくて。
うちも、子供が最近生まれたばっかりだったりするんだけど。ほんとに、自分の娘と同じぐらい愛せるんじゃないかってぐらい、『かぐや姫』の中で描かれている赤ちゃんが、ほんとかわいいって思える。

川上:
あの赤ちゃんは凄いですよね。

石井:
あと、着物の着方とかね。帯がなんで横についてるのかとか。
謁見してるときの帯はどうなっていたのかとかまで、全部調べて作ってあるから、そこを観てるだけでも楽しい。
明日、日本が沈没するとしたら、タイムカプセルにこの『かぐや姫』のブルーレイを入れてですね、「これが日本だったんだ」って伝えたい(笑)。

齋藤:
再生機も残しといたほうがいいと思うよ。

石井:
それくらい、「あ、日本ってこうだったんだ」っていうことが、再発見される映画ですよね。

川上:
そうですよね。牛車の降り方とかね。それも、たぶんこれしかないだろう、みたいな。
そういう、学者高畑勲が提案した降り方ですよね。

 

高畑監督と戦い抜いた西村義明プロデューサー

齋藤:
『かぐや姫』をぼく個人として語っておきたいのは、ほんとうはここにいるべき人がいないっていうことがあって。
ほんとはここにいてほしかったっていうね、この『かぐや姫』プロデューサー、西村義明っていう、ぼくらと同世代のプロデューサーがいるんですけど。
彼、初プロデュースですよ。川上さんと同じですよ、映画に関しては。

石井:
8年(高畑勲に)ついてきたんですよね。

齋藤:
どっかでも言ってたけど、この映画を作ってる間に、子供が小学校上がったっていうね。

石井:
二人生まれたってね。

川上:
『山田くん』以降に、高畑さんの映画作ろうとした人って、全部途中で挫折してるんですよね。

齋藤:
討ち死にしてますね。

石井:
3、4人ぐらいいましたよね。
西村くんだけが、最後まで。

齋藤:
ほんとに、今一番尊敬できるプロデューサーと思ってますよ。

石井:
これからのアニメ界は、西村義明の肩にかかってるってことですよね。

 

狂気の高畑勲伝説

川上:
高畑さんは、石井さんもお付き合いされたんですよね?

石井:
ぼくは『となりの山田くん』の後半にジブリに入社したので。
そのあとに、いくつか短編的な企画とか、あと本のお仕事とかを一緒にやらせていただきましたけど。

よく鈴木さんとか、宮崎さんがね、「ほんとに凄いのは高畑勲なんだ」と言うじゃないですか。
ほんとそうなんですよ。夢と狂気、両方凄くてですね。これ、言っちゃって良いのかな……。もう良いと思うんですけど、『となりの山田くん』が……アニメってオールラッシュってあるんですね。もう全部完成ですっていう。当時はフィルムですから、フィルムも焼いて、もう棒繋ぎになって完成しました。そのあとに、ぼくら製作部にいたんですよ。突然、高畑さんがすごい顔でやってきて、「作画からやり直します!」って言ったんです。

川上:
これから上映するというのに(笑)。

石井:
もう、まさに一ヵ月後公開なのに、「やりなおします」って。
その理由というのが、『となりの山田くん』って、『かぐや姫』もそうですけど、上下左右に余白があるんですよ。
映画館って、上映するときに上下左右が切られちゃう。「この作品は、余白まで作品なんです」と。「そのことをもっと早く言ってもらえれば、ぼくはその余白を意識して演出したはずである」と。「やり直します!」って3時間。

川上:
『山田くん』は余白だらけのやつですよね。その余白が、ちょっと切れるのがまずいと。絵が隠れるんじゃなくて、余白が減るのが許せないと。

齋藤:
まあ、レイアウト変わりますからね。

石井:
もう、3時間ずっとですよ。ぼくと隣にいた先輩は、もう泣くしかないですよね。もう怖くて、涙をぽろぽろ流しながら。
もうひとつはね、ピアノの曲が出来上がったんですよね。で、「なにか音が違う」っておっしゃるんですよ。そこにいたプロの方が「いや、これであってます」と。「いや、違うと思います。調べてください」と。
そのピアノを弾いた方は、アメリカにいらっしゃったんですよね。それで、国際電話でアメリカに電話して、監督がこう申しているんですがという話をしたら、そのピアニストの方が、「あ……、私その当日、薬指を突き指しておりまして、ちょっと力が弱かったかもしれません」と。

齋藤:
なるほど。

石井:
で、「やり直しましょう」って。これが、毎日ですよね。

齋藤:
高畑監督の音楽に関する、知識と造詣の深さと、音楽の演出としての力って、それは劇場に限らずじゃないですか、テレビシリーズも含めて。

石井:
毎晩、クラシック音楽を聴いてらっしゃるわけですもんね。

川上:
『ナウシカ』で久石譲を見出したのも、高畑さんなんですよね。

石井:
他に候補の方が、ふたり有名な方がいらっしゃったんだけど。
この方も有名だし、この方も凄いけど、『風の谷のナウシカ』っていうのは、ナウシカという少女の話でしょう、と。少女の心を奏でることができるのは、久石譲さんですよ、って決まったっていうふうに言ってましたけどね。

齋藤:
よく歴史を知ってますね。

石井:
いや、高畑さんは伝説の人ですからね。

齋藤:
『火垂る』のときの話とかね。当時は、これが『火垂るの墓』なんだって、感動しながら観たけども。
実は完成しきってない状態で公開したっていう話もね。

石井:
一部白いままで公開したりしたんですよね。

川上:
ぼくもジブリ見習いで入って、最初驚いたのは、ジブリの中で高畑さんの名前をすごく聞くんですよ。みんな高畑さんの話をしてる。

石井:
いないにも関わらずですよね。本社のほうにはいないですからね。

川上:
いないんですよ。でも、みんな高畑さんの話をしてるんですよ。宮崎さんを初めとして。

齋藤:
それ『夢と狂気の王国』も、まさしくその通りじゃないですか。そこから、いつ出てくるんだろうなって、心待ちにする感じですよね。

石井:
そうなんですよね。だから、ドキュメンタリとして面白いですよ。高畑さんが、いつ出てくるのかっていうのは、この特番の面白いとこですよ。

齋藤:
だからこそ、砂田監督素晴らしいなと思いましたよ、改めて。
女性の視点ってことも、当然ありながらも、すごく客観的なところでね、両監督と鈴木プロデューサーをちゃんと切り取っているっていうね。映画として素晴らしいと思いますよ。

川上:
それは砂田さんが作ったんですけどね。ぼくは、あんまり関係してないから(笑)。

齋藤:
いやいや、ぼくいま砂田さんを褒めてましたから(笑)。

 

監督とプロデューサーの関係

石井:
宮崎吾朗監督とね、川上プロデューサーが、対峙してるシーンがあるんですよ。

川上:
ぼくが怒られてるシーンですね。

齋藤:
ちょっと薄暗いとこですよね。

石井:
これはもう、最高なんですよ。ぼくはもう、あまりにも心臓がドキドキして、画面を見れなかったです。

川上:
あれねぇ……。あれ、ほんとに申し訳ないと思ってて。
ほんとは、ぼくが出てるシーンって全部カットしてほしかったんですけど。プロデューサーとしては、砂田さんが演出上必要だと思うシーンっていうのは、口出すべきじゃないと思って。

齋藤:
そこは、やっぱり吾朗監督と川上さんのシーンみたいに、砂田監督とも同じように薄暗いところでやりあったりしたんですか?

川上:
あのシーンはね、すごく怒ってましたよね、吾朗さんね。
いやでもね、今回は、ぼくプロデューサーってことなんですけど、はっきり言ってあまり仕事してないんですよ。素人だし。まあ、できないし。

齋藤:
それだと映画できないと思いますよ。やっぱり監督とプロデューサー両方いないと。

川上:
吾朗さんとも、いろいろやってるんですけど。吾朗さんとやってるのも、やっぱりぼくがあまりにも仕事をしなくて、すごく怒ってるシーンなんですよね。それが、今回出てくるんですけど。
それがね、皆さんご覧になると、ぼくが仕事してるんだ、って思われると思うんですよ。それが、すごく心苦しくて(笑)。
あれは、仕事してないって怒られてるシーンなんですよね。

石井:
でもね、監督とプロデューサーって、ああいう状況になるんですよね。
ほんとうに、睨みあいになるんですよ。向かい合って、一時間ぐらい睨みあいになったりするじゃないですか。
細田さんはもっと長いか。

齋藤:
いやいや、そんなことないですけど。うちはそんなことしませんからね。

川上:
ほんとですか? この番組を細田さんが見てるんじゃないかとか、さっき(笑)。

石井:
ああいう現場が映ってるのはすごいですよね。そういう監督とプロデューサーの対峙する場面みたいなものも入ってて、あれが夢と狂気の「狂気」の部分ですよね。

齋藤:
夢と狂気が、映画作りの言葉として良いかわからないけど、やっぱりものを作るって、映画を作るって、監督とプロデューサーに限らず、みんな真剣になって、ひとつのことを積み上げていくみたいなとこがあるじゃないですか。そういう意味でいうと、もっと激しいとこいっぱいあったんじゃないの? っていうことを感じますよね。

川上:
今回思ったのは、監督とプロデューサーの関係って、仕事が出来るかどうかは別にして、関係性はある程度わかったと思ったんですね。
たぶん、いろんな関係があると思うんですけど、クリエイターの監督って基本コントロールが効かないじゃないですか。で、いろんな人が効かないと思うんですけど、監督といろんな人と軋轢があるんだろうけど、そのなかで監督と真っ向から対峙しなきゃいけないのって、たぶんプロデューサーじゃないですか。しかも、対峙できない人と対峙しなきゃいけないっていうのが、プロデューサーの仕事ですよね。

齋藤:
でも、監督とプロデューサーは目指してるゴールが一緒のはずなので、そこはお互いにゴールに向かって、鍔迫り合いを含めてチャレンジをしていけば、ゴールが一緒なので。ゴールが違うなら別ですけど、ゴールが一緒なら、最終的には意見も一致するって思いますけどね。

川上:
最終的に一致する?

齋藤:
ゴールが一緒ならね。

川上:
それは齋藤さんの思うように、細田さんがなってくれれば。

齋藤:
いや、そんなことは、全然。
作品を一番知ってるのは、やっぱり監督だと思うのでね。

石井:
やっぱりジブリっていうのは、鈴木さんっていう人がね、宮崎さん、高畑さんって人に向き合い続けた30何年なわけですよ。で、それをね、これまでのドキュメンタリ番組は、夢と狂気をそのまま写していた作品が多かったんですよね。
要は、ずっとカメラ構えてればね、宮さんが怒るとこも撮れるし。鈴木さんが机をぶっ叩くとこも撮れるわけですよ。ただ、今回は、ものすごく優しい視点で、小人がジブリの森に迷い込んで、じーっと綺麗なフィルタで見ながら。でも、やっぱり光の奥に闇があるな、みたいな。すごく心地良いけどヒリヒリするドキュメンタリになった思いますよね。
だから、実際の現場は、もっとぐちゃぐちゃですよね。

 

人との係わり合いから作品が生まれる。

齋藤:
ぼくは、良かったのが、両監督と鈴木プロデューサーが被写体であったりするんだけど、お三方だけじゃなくて、一緒に作ってる、後ろに映って一生懸命絵を描いている方々だったり、一生懸命作品を伝えようとしてる人が映ってるじゃないですか。その人たちが、ぼくは4人目の主人公だったんじゃないかってくらい、それが良かったと思いますね。

川上:
今までのメイキングって、宮崎駿のドキュメンタリだったと思うんですけど、今回は宮崎駿が生きてる世界は、どういう世界なのか、っていうドキュメンタリですよね。

石井:
これから仕事を始めようとしてる人には、絶対観た方が良い映画で。どんな仕事に就きたいとか、何になりたいとかは別にね。やっぱり、今って仕事始めると、ついつい自分のために、自分の夢のためにとか、自分の自己実現のためにとか、なり勝ちじゃないですか。
で、宮崎駿監督のように、世界の頂点を極めた、いわゆる作家ですよ。一番自分というものにオリジナリティがある人が、実はものを作るときに、誰かのためにとか、他者のためにとか、クライマックスの宮崎さんのセリフが象徴的で、「結局、運と縁なんですよ」と。運と縁がないと良い仕事もできないし。この宮崎さんの仕事に対する考えたみたいなものを、この作品から受け取って、これから仕事をすると、たぶんすごい豊かな仕事ができると思いますし。ぼくも忘れていた、ギスギスしていた気持ちを洗われたようなね。

齋藤:
それは、ぼくもありました。観てて、背筋がしゃんとしました。
鈴木さんとか、いつ寝てるの? みたいな感じでやってるじゃない。鈴木さんより30ぐらい、ぼく下だしね。そういう意味でいうと、寝てる場合じゃないなって思う。

川上:
クリエイターは勇気づけられますよね、この映画は。頑張らなきゃって気になりますよね。

石井:
ひとりで悶々と自分から生み出されるのを待ってるんじゃなくてね、宮崎さんが我武者羅にいろんな人との関わりのなかでものを作ってるっていう。

川上:
実際はね、ヤクルト買ったりとかね(笑)。

石井:
ヤクルトおばちゃんは、出てきすぎですよね(笑)。

齋藤:
でも、ウシコっていう、かわいいネコちゃんもいっぱい出てくるからね。
ネコファンも、ヤクルトのおばさまファンも含めて、みんなが楽しめる映画ですよ。

川上:
何をいっぱい出してるんだみたいな、そんな感じですよね。
もうすぐ、皆さんご覧になられると思いますので。そのまえに、『パンダコパンダ』がありますけどね。

石井:
『パンダコパンダ』羨ましいですねぇ。観たいな。

川上:
実は、ぼくも観たことないんですよね。

齋藤:
観たほうが良いですよ。

石井:
めちゃくちゃ面白いです。『トトロ』の原点だし、『火垂るの墓』も入ってるし。そもそも、高畑さんと宮崎さんがやりたかった、あるヨーロッパの原作の許諾が下りなくて、それで絶望して作ったのが『パンダコパンダ』で。
そのときに、中・小・大のパンダが出てきて、それがトトロになっていった。それぐらい全部詰っています。『ポニョ』もね。『パンダコパンダ2』はまさに『ポニョ』ですよ。

 

ポストジブリについて

川上:
宮崎駿監督も9月6日に引退を発表しまして、『風立ちぬ』が最後の作品になったということで、高畑さんも西村プロデューサーは最後の作品と言ってると。

石井:
西村くんが、そう言ってるんですね。

川上:
高畑さんは認めてないらしいですけど(笑)。

石井:
彼の願望ですね(笑)。

川上:
西村さんの願望としては、高畑さんの最後の作品だと。それが、ほんとうだとしたら、高畑・宮崎作品は終わりということですけども、この後の、ポストジブリのアニメ業界に関して、お二人の意見を。

石井:
それはポストジブリを狙ってらっしゃる齋藤さんが。

齋藤:
いやいや、全然そんなことなくて。
ポストジブリって、もしくはポスト○○とか、やっぱり個人としても違うしね、当然スタジオのカラーとしても違うし、作品も違うし、なにか○○的と言われたりすることもあるけども、時代も違うし、一緒にやってる人たちも違うし、ぼくらのチャレンジを応援してくれる人も違うと思うんで、今まで一緒に作品を作ってくれた人たちとか、新しい人たちと、新しいチャレンジをして、自分たち的なことを作っていくしかないと思っているんですけど。

川上:
なるほど。優等生的な(笑)。

石井:
お利巧な発言ですね(笑)。

川上:
宮崎駿監督の引退の発言を聞かれて、嬉しかったですか? どうですか?

石井:
齋藤さんと、細田さんはガッツポーズしたっていう……。

齋藤:
そんなこと全然なくて。やっぱりそうなのか、って。
体力的なこととか、ご決断されたこともいろいろあるから、軽々しく言っちゃいけないと思うんだけど。
宮崎監督の一ファンとしてはね、また作ってくれるんじゃないかとか、もしかしたらご自身もそういうふうに思ってらっしゃるんじゃないかっていうことは思っちゃうくらい、『風立ちぬ』がいろいろ与えてくれたので。

川上:
一ファンではなくて、スタジオ地図のプロデューサーとしてはどうですか?
やりやすくなったとか、これから。

齋藤:
いやいや、全然そんなことなくて。また観たいし。作品がぶつかったときも、頑張ろうって思うしかないよねって思ってますけど。

石井:
宮崎さんって、作るものに必ず相反するものがあるじゃないですか。
少女的なものがあれば、男性的なものがあったりだとか。都市を愛しながら、すごく自然を愛するみたいな。
たぶん、引退関係もそういうことだと思うんですよ。つまり、ほんとうにやりきったからこそ、「引退をするんだ」ってことでもあるし。でも、一方で引退発言のコメントの頭には、「ぼくはあと10年仕事をしたいと思っています」って書いてあるんですよ。

川上:
あれ、むちゃくちゃですよね。

石井:
これが、すべての答えなわけですよ。

齋藤:
作品観ても分かるように、素直というか誠実な人じゃないですか。それが、今の本心だと思いますよ。だから、きっとまた何か、面白いことをされるんじゃないのかな、みたいな気になってしまうのも、分かる気がしますよ。

石井:
引退したとか、しないとかね。撤回するのかしないのかと言ってる時点で、もうおかしいですよね。それも含めて、ぼくらは宮崎駿監督に夢中なわけですから。それに対して、いちいち言った言わないとか。そういうことはやめて、宮崎さんがあと10年どういう仕事をするのかということを楽しみたいですね。

齋藤:
もうやってんじゃないか、みたいなね(笑)。

川上:
それは、ほんとう今後10年間楽しみですよね。

齋藤:
高畑さんもそうですよね。

石井:
『かぐや姫』だけは、観終わったあとに、「ほんとうに、この人はまた絶対作る」と思いましたね。
『かぐや姫』観終わってエンドロール上がったときに、高畑さんがこれが最後なんて微塵も思わなかったですよ。

齋藤:
少なくとも、2時間半分の最初のシナリオ落とした部分を作ってるんじゃないか、って気がしますよね。
あと8年、西村くん頑張らないとって感じですよね。

石井:
西村くん、子供あと二人ぐらい生んでね。

齋藤:
小学生上がった子供が、高校生卒業しますよ、今度は。

 

『かぐや姫の物語』が今後のアニメーションに与える影響

川上:
『かぐや姫』ってアニメーションとしては、そうとう特殊なことをして作ってるじゃないですか。
ああいうアニメーションの技法とかに関して、今後のアニメーションになにか影響を与えるんですかね?

石井:
物量で説明すると、冗談みたいな話なんですけど、ぼくらが作るテレビシリーズ1話分。22分なんですけど。それの作画枚数と、高畑監督の『かぐや姫』の1カットの作画枚数が同じだったりするんです。もっと多いかもしれない。
普通、カット袋ってこんなもん(1センチ)なんですけど、多いとこれ(5センチ)くらいなんです。(『かぐや姫』は)ダンボール4箱とからしいんですよ。

川上:
誰も真似できない?

石井:
そういう意味で、ぼくらは西村くんと違って絶対やりたくないですよ。

齋藤:
日本のセルアニメーションって、なぜ続いてるかって言ったら、単純な高利性とかだけじゃなくて、歴史の文脈の流れも含めて、もの凄く適してるから。人の気持ちに入りやすいとかね。だから残ってると思うんですよ。
だけど、世界各国の、よく細田監督と国際映画祭とか行くとね、高畑作品を観て、当然表現で驚く人もいるだろうけども、世界の映画祭行くと、たくさん表現ってあるじゃないですか。

石井:
やっぱりアニメって、どんどん緻密化に向かうんですよね。緻密化か、キャラクター化かね。どっちかに向かってるわけですよ。
で、ある意味、それと間逆なことをしてるわけですよね。実際に人間が描いた、筆のような線と、もの凄く余白と空間を意識して作ったものなんだけど。

川上:
情報量減りながら、作業量が増えてるんですよね。

石井:
そう。情報量が減ったほうが、お客さんが感動するんだっていうことに、ぼくらは見せ付けられてしまったので。
ぼくは観終わった翌日に、仲の良い監督とかスタッフに、スタジオ中配りまくったんですよ。やっぱり、演出とか作画の責任者の人ほど、もう衝撃的に返ってきますよね。これまで、ある程度積み重ねをして、足してく、クオリティを上げてく、っていうことが日本のアニメのはずなのに。これだけ省略化された世界のほうが、感動的になるっていうと。

齋藤:
アニメーションって、一コマ一コマ絵の繋がりじゃないですか。その、一枚絵としての魅力? 一枚絵が連なって動いたときの魅力。やっぱり、絵の魅力っていうことが、『かぐや姫』は気持ちに迫ってくるっていうことがあるんだと思いますよ。

川上:
『かぐや姫』は、ほんとうに絵が綺麗ですよね。完成してますよね、絵として。

齋藤:
絵画の魅力というものに近いかもしれませんよ。それを連続性で見れるみたいな。

川上:
製作途中に、美術の男鹿さんの部屋に入ったんですけど、もう完全に画廊にしか見えないんですよね。アニメの制作現場じゃないんですよね。京都かなんかの、和紙を売ってる店に見えるんですよね。

石井:
だからね、問題発言しますけど、50億円でもこの作品は安いですよ。国宝ですよ。価値が付けられない作品が生まれたという気がします。

 

高畑勲と宮崎駿の関係

川上:
高畑さんのインタビューを2回くらい、ぼくがインタビュアーで挑戦したんですけど。どちらも、3時間か4時間ぐらいインタビューしたんですけど、3時間、4時間のあいだ90%くらい、ぼくが説教されてるんですけど(笑)。
それ正しいんです、しかも。正しいんで、どうしようもないですよね。
ぼく、宮崎駿さんにも怒られたことがあるんですけど。宮崎駿さんって怒ったときって、理屈が通じないじゃないですか。何言っても、もうダメって感じなんですけど。

石井:
宮崎さんは怒ったあとに、パカーって笑うじゃないですか。あれでね、すべてが許されるんですけど。

川上:
高畑さんは、それはないですよね。フォローゼロ(笑)。
それで、なにか反応するじゃないですか。反応したって、「なに言ってんだ」ってならないんですよ。
怒って言った相手のことも、ちゃんと一言一言深く聞いてくれたうえで、さらにそこを否定してくるんですよ。

石井:
それが3時間かかるんですね。

川上:
でも、ちゃんと聞いてくれるのは凄いと思いましたよ。

齋藤:
初めて高畑監督の凄さみたいのを感じたってことがあって。
15年ぐらい前、ジブリに遊びに行ったときに、ジブリのトイレで隣をふっと見たら、高畑監督でもう止まっちゃったって感じでしたよ。あまりにビックリすると、ね。

石井:
止まるぐらい、高畑さんはすごいと。

齋藤:
高畑監督は、ほんとトイレの思い出が一番みたいな感じです。

石井:
一緒にね、出雲大社に行ったんですよね。ぼく、高畑さんと一緒について行ったんですよ。
そしたら、「石井さん」って言われたから、「はい」って。お寺を指差して、「あの寺の間取りは分かりますか?」って言われたんです。

川上:
それは教養を試されてるのか、外見から判断しろって言ってるのか(笑)。

石井:
「外見から、中を想像できますか」って言われたんです。で、「できません」って言ったら、鼻で笑われました。
ただ、あとで宮崎さんにその話をすると、宮崎さんは若いころから、それを全部、高畑さんにきかれて答えれるようにしたんです。だから、宮崎さんって、すらすらすらすら間取り描けるじゃないですか。

川上:
基本は、宮崎さんは現実と合わない間取りを描く人ですよね。

石井:
そうですね。思い出しながら描くと、だんだん歪んでくっていう。
ドキュメンタリの中でも、面白いシーンがありますよね。宮崎さんが、高畑さんを凄まじく褒めたあとに、凄まじく怒ったりするシーンがあって、これが高畑・宮崎の関係を見事に表してる。

川上:
それは、宮崎さんがよく言われてる、「ぼく以外の人間が、高畑さんの悪口を言うことは許さない」っていう複雑なセリフがあるんですけど。

齋藤:
そういう関係になぜなったのかということも、ちゃんとこの映画で描かれているので。そういうことも踏まえて、観たいなって気になってきません?

SWITCH Vol.31 No.12 ◆ スタジオジブリという物語 ◆ 責任編集:川上量生
スタジオジブリの人びと、特に高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫という3人が織り成す人間ドラマは、その作品と同じくらいに面白いのではないか……。現在、スタジオジブリで修行中のドワンゴ会長・川上量生を責任編集に迎え、高畑勲14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』公開、宮崎駿引退表明など、新たな物語が動き出したスタジオジブリの現在をドキュメントする

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5 Comments

  1. 映画観てきたが、内容はともかく、客が自分含めて4人のさびしさ

  2. “ひとりが、宮崎吾朗監督ですよね。で、もうひとりが高畑勲監督なんですけど、このふたりの登場の仕方がですね、まあ凄まじく面白い。”

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