川上量生が責任編集を務めた『Switch』12月号「スタジオジブリという物語」を、ようやく読み終えました。ここのところ、NHKの『プロフェッショナル』でジブリ特集が放送されたり、ドキュメンタリ映画『夢と狂気の王国』が公開されたりと、盛んにジブリの裏側が描かれていますが、こちらは現在のジブリの裏側がわかるテキスト版のドキュメント決定版です。


鈴木敏夫プロデューサーが読み解く宮崎駿監督の引退会見から、『ナウシカ2』の話に、『かぐや姫』が完成したばかりの高畑勲監督の次回作の話まで、盛りだくさんです。



伝説の男・高畑勲はいかに帰還したのか?
西村義明×川上量生 対談

『かぐや姫の物語』にまつわる、高畑勲監督の映画の作りかたが語られています。
高畑監督は、ほおっておくと、とんでもない方法で映画を作り出してしまい、プロデューサー経験のない西村さんは制御できずに、当初はそのまま作らせていたのだとか。
西村プロデューサーによる宮崎駿監督と高畑勲監督の比較や、『かぐや姫』が完成したばかりですが、高畑勲監督の次回作の話まで語っています。

 

宮崎駿の引退会見とは何だったのか?
鈴木敏夫×川上量生 対談

宮崎監督は、これまでにも引退宣言を何度か繰り返しているので、傍目にはあの会見が何であったか読み取りにくいとこもありますが、そこを鈴木敏夫プロデューサーが解説しています。
ちょっと意外だったのが、昔の宮崎監督は仕事中に無駄口をきかなかったということ。最近のドキュメンタリを観ると、仕事中も饒舌だったので、昔からそういう人だと思っていました。それが豹変したのが、ある作品からなのですが、いかにもマジメな宮崎監督らしい理由です。

SWITCH Vol.31 No.12 ◆ スタジオジブリという物語

 

プロデューサー鈴木敏夫のアート性とは?
糸井重里×川上量生 対談

糸井重里さんが、どのようにスタジオジブリと出会ったのか。そして、どのようなスタンスで仕事をしていったのか語っています。
それから、川上さんが、何に惹かれて鈴木敏夫さんに弟子入りしたのかも話しています。“人間ってそうだよね”と思わせる話をしています。
こちらの対談は、仕事に対する向き合いかたも参考になるんじゃないでしょうか。

 

ジブリの未来はどうなるのか?
川村元気×川上量生 対談

東宝の映画プロデューサー川村元気さんが、宮崎駿監督の作品がどれだけ常軌を脱した作りかたをしているか語っています。素人目には分からなかったですけども、プロの分析では、それだけ宮崎監督は飛び抜けた発想で作っているんですね。
ジブリにまつわるデジタルコンテンツのありかたや、続編が噂されている庵野秀明監督の『ナウシカ2』の話まで語っています。川上さんの挑戦が成功してほしい。

 

ジブリの夢と狂気とは何なのか?
砂田麻美インタビュー

砂田監督が、一年間のジブリ留学を通して感じた、宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫の三人がどれだけ特異な存在であるかを語ります。
砂田監督が抱いた感想を読むかぎり、宮崎駿監督は、すごく精神世界が強い人なんでしょうね。

 

『かぐや姫の物語』が生まれた現場とは?
スタジオジブリ第7スタジオの風景

『かぐや姫の物語』を製作するために作られたという、スタジオジブリ第7スタジオ。
高畑勲さんが座っていた監督席や、アニメーターのデスクに、美術室などが写真で紹介されています。

 

アニメーションの極北と噂される『かぐや姫の物語』の“作画”の凄さとは?

『かぐや姫』の映像が出来るまでの工程を、制作デスクの吉川俊夫さんが解説します。
前代未聞の映像表現に、アニメーターさんはどうやって作ってるか見当もつかなかったのだとか。
それだけ困難を極める集団作業を、どのようにコントロールしていったのかを語ります。

 

日本画のような『かぐや姫の物語』の背景画。
美術監督を務めた職人・男鹿和雄はどう描いたのか?

『かぐや姫の物語』で美術監督を務めた、男鹿和雄さんのインタビュー。
男鹿さんといえば、これまで繊細な背景美術でジブリを支えてきましたが、本作ではラフスケッチのような背景画を描いています。情報量を落とすことで楽になるのかと思いきや、これがもの凄くコントロールの難しい描き方だったようです。

 

かぐや姫、捨丸、媼の声を担当した俳優たち。高畑監督からどんな演出をうけましたか?
朝倉あき/高良健吾/宮本信子

『かぐや姫の物語』キャストインタビュー。
役者さんが、高畑勲監督とどのようなやりとりをしていたか話しています。
高畑監督が心理学まで持ち出してきた発言は、凄いなと思いました。

 

二階堂和美は『かぐや姫の物語』の主題歌に何を込めたのか?

主題歌を作るにあたり、高畑監督からの要望になにを思い、どのように作っていったか話しています。
僧侶をされている二階堂さんらしいスタンスで、ものづくりをされていますね。

 

海を渡ったジブリのパッケージデザイン事情とは?

海外展開されたときのポスターが、日本版とは異なるものになる理由を、ジブリの海外事業部の方が解説。

 

ジブリのブルーレイ・シリーズの大胆なパッケージデザインとは?

ジブリのブルーレイといえば、あまりにシンプルなデザインで賛否ありましたね。
そのブルーレイ・デザインを決めるプレゼンについて話しています。が、あまりにも呆気ないもので面白かったです。
いかにも鈴木さんらしい、返答ですね。

 

『SWITCH』Vol.31 No.12
発売日:2013年11月20日
価格:¥819
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SWITCH Vol.31 No.12 ◆ スタジオジブリという物語 ◆ 責任編集:川上量生
スタジオジブリの人びと、特に高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫という3人が織り成す人間ドラマは、その作品と同じくらいに面白いのではないか……。現在、スタジオジブリで修行中のドワンゴ会長・川上量生を責任編集に迎え、高畑勲14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』公開、宮崎駿引退表明など、新たな物語が動き出したスタジオジブリの現在をドキュメントする

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