押井守監督の『風立ちぬ』評が、ニコ生の押井守メールマガジンにて公開されました。
毎回ジブリに対して辛口の評価といいますか、悪口といいますか、旧知の友に辛辣な批評を繰り返している押井氏ですが、今回の『風立ちぬ』に関しては、どこかシンパシーを感じているようです。

 
文章に、映画の内容が若干含まれているようなので、未見の方は読まないほうが良いかもしれません。



押井守がTVブロスで語った内容はこちら
≫押井守が斬る! 宮崎駿 最新作『風立ちぬ』【オトナ・ジブリじゃなくて、オレ・ジブリ】

 

519 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 13:50:46.43
第19回「ぜろ」
「あれが君のゼロかい?」
宮崎駿『風立ちぬ』
「ゼロ」とは、もちろん零式艦上戦闘機のことです。
年末には「永遠のゼロ」も公開されるし、
本物の零戦も里帰りしたことだし、
なんとなく今年は零戦の年のようです。
ジブリの悪口を掲載できる、
日本で唯一の雑誌『TV Bros.』の依頼で、
東宝本社の試写室に行ってきました。
そういえば前回の『アリエッティ』も
『ポニョ』も、同誌の依頼で見た記憶があります。
何を喋ったかは思い出せませんが。
試写室のポスターを見て一驚しました。
主役が人間です。
「ヒロインの少女を除いて
登場人物は全員豚」方式だと思い込んでいたのですが、
なんと登場人物全員が人間でした。
舞台は戦前の日本だし、実機も出てくるので、
さすがに登場人物が豚では世界観が破綻すると考えたのか、
遺族の心境を慮って堀越二郎を豚にするわけにはいかない、
と判断したのか、あるいはその両方なのか、
よく判りませんが、とにかく人間です。

520 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 13:51:20.43
それがどうした、と思われる方もいるでしょうが、
少年や豚や(中年男)を主役として描き続けてきた監督が、
青年を主人公に据えるということは、
これは実は大変な決断を要することであって、
僕もまた「戦う女」と
「オヤジ」のみを主役にしてきましたが、
「青年」を主役に据える度胸は未だにありません。
青年を主役に据えるということは、
つまり否応なくそこに自分の中のある部分――
理想化された自分を描くことに直結する可能性が高く、
きわめてキケンな香りがするからです。
豚や少年と違って、「人間の青年」には逃げ道がありません。
宮さん、大丈夫かしら――と他人事ながら心配しつつ、幕が開きました。
※以下、初見の印象を大事にされる方は読まないことをお奨めします。~

548 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 19:07:53.80
http://img.2ch.net/ico/btonfa.gif
※以下、初見の印象を大事にされる方は読まないことをお奨めします。

 宮さん、ついに色気づきました。
おそらく日本のアニメ史上、もっともキスシーンの多い作品でしょう。
新婚初夜のドキドキまで描かれています。
カプロニもユンカースも、九試単戦も吹っ飛びます。
零戦の映画だと思って見に行くと、古典的な恋愛映画でビックリ。
いつものジブリ映画だと思って子供連れで出かけたお母さんたちは、子どもたちの目を塞ぐべきかどうかで、悩むことになるでしょう。
まあ、そのかわりにタップリ泣けるかもしれませんが。
いったい何があったのでしょう。

 ド近眼で、ヘヴィスモーカーで、仕事から離れられない堀越二郎青年はもちろん、宮崎駿その人です。
婚約者の自宅の庭から忍び込んだり、駆け落ち同然で上司の家へ逃げ込んで結婚したりの大活躍です。
斯くありたかったであろう青春の日々を臆面もなく描いていて、見ているこちらが赤面しそうです。
だから「青年」はキケンなのです。
いつもの「少年」というカムフラージュも「豚の仮面」もないのですから。
もはや開き直ったとしか、考えられません。
誤解のないように言っておきますが、これは大変に結構なことです。
「子供たちのために作る」などという大義名分・建前を離れ、自らの欲望の赴くまま、リピドーに導かれて描くことは映画の基本です。
映画とはつまり、欲望の形式なのですから。
ただ問題なのは、その欲望の行き着く先が何処なのか――それだけです。
試写に同行した某VFXスーパーバイザーのS君(私の相棒)は、これはいつもの「老人の繰言」でなく
「老人の睦言」だと喝破しましたが、僕もその意見に全然同意いたします。
青年の姿を借りて演じられた、これは老人のエロスの世界です。
当然の如く「死の影」も見え隠れしています。

押井守の「世界の半分を怒らせる」。第20号より抜粋

521 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 14:12:26.44
公開前に全文はアンフェアだぜ
こういうのネガキャンの道具にされるから

522 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 14:14:46.19
公開前なのにネタバレ含んでるのかw>押井

523 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 14:18:54.11
押尾君これは卑怯やで
伏せていても悪意ある奴は必ずバラまくこと想定しろや

526 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 14:54:21.84
押井風の文章ででっちあげの評論作る奴でてくるんだろうな
有料だから本当のメール見る奴すくないだろうし

527 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 15:21:51.00
押井らしい毒も入ってるけど、全体としては、意外に肯定的な評価だった。
一部分だけ引用して、貶す方向に持っていこうとするアンチが絶対出てくるだろうけどなw

541 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 18:03:41.31
真魚八重子 ?@Yaeko_Mana 1分
『風立ちぬ』試写。まさかパヤオでギャン泣きすることになるとは……。

普段駄目邦画に怒り狂ってる辛口ライターが…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

545 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 18:33:19.22
なんか演出家としてのパヤってほんと極一部しか認知されてねーのなと思う
毎度同じモチーフをやってるからそうなりがちなのかもしれんが
実は叙情的な演出も得意で、キャラクターの演技だけでそのキャラの優しさや想いを表現するのがずば抜けて上手いのに
ホームズの青い紅玉で、眠る前にポリィをあやすシーンで
ポリィが亡き父親の話や「スリの子嫌い?」って心情を吐露し始めると
立ち話ですぐ去ろうとしてたホームズが、わざわざベッドに腰掛けて話をし始める演技とかね
相手の繊細な感情の動きを察知してキャラクターがどう動くのかがとても丁寧にシミュレーションされてる
漫画版風立ちぬでも、眠ってた菜穂子が、横で寝転がって仕事してた二郎に唐突に話し掛けてきて
死に対する恐怖を漏らす菜穂子に敏感に反応して、二郎がベッドに寄り添う感動的なシーンがあるがね

そんな演出家が恋愛や死別をマジに描こうと思ったら感動的にならないわけがないんだよ
今まで避けてた部分だけど。まさか宮崎映画でこんだけ泣かされるとはみたいな感想多いけど
演出家・宮崎駿をナメすぎだろうと

466 :名無しさん名無しさん:2013/06/30(日) 18:29:13.31
復刊ドットコム編集部 ?@fukkan_editors
風立ちぬ、試写会で拝見。
宮崎監督が一気に若々しくなった。
ヒロインが時々クラリス似なのも懐かしく、また、アニメーション表現の新鮮な濃密さには絶句。
庵野さんの声もよかったです。

個人的には、ここ数作で一番好きな宮崎作品になりました!

574 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 21:22:15.66
キスシーンあるとは書いてるけど初夜はどうせ匂わす程度なんじゃないか?
レーティングに引っ掛かるような描写なら観た人の感想がもっと騒がしい気がするがw

575 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 21:27:59.18
荒井由実が「一番良かったシーンは初夜シーン」て言ってたよなぁ

594 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 22:31:54.72
庵野声は賛否両論になりそうだな
関係者で褒めてた奴がチラホラいたけど基本一般人の受けは駄目そうだ

595 :名無しさん名無しさん:2013/07/01(月) 22:37:24.59
押井のは別に皮肉でもなんでもないだろ
風立ちぬはぶっちゃけなにも新しい映画でもないし新境地でもない
今まで見え隠れしてたものがデローンと出ただけなのでパヤに精通してる人間ならこういう感想になる
むしろ正直に褒めてるじゃん。昔馴染の同業者としてこれほど褒めてることはないだろ

押井守がTVブロスで語った内容はこちら
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